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長期供給保証と小リール販売に対応 産業用途グレード降圧DC/DCコンバータ

最先端の同期整流コンバータが
産業機器の省力化と小型化の鍵

産業用グレード降圧DC/DCコンバータ
シリーズ -その2-

注目ワード
  • サイズ
  • ダイオード整流
  • 効率
  • 同期整流
  • 実装面積
  • 小型化

-LB品の長期供給保証と小リール販売への対応が、産業機器の省力化と小型化に寄与するという話を聞きました。それでは、LB品のDC/DCコンバータについて具体的に教えてください。

最初にお話ししたように、現状では、同期整流降圧型のパワートランジスタ内蔵タイプが16機種ほど、コントローラ対応が2機種といったラインアップになっています。もちろん動作温度範囲など基本仕様は産業グレードです。表をお持ちしましたので参考にしてください。

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-産業機器用のDC電源というと、産業機器では標準的なバス電圧である12Vや24Vを入力として、ボードにシステム電圧である5Vと3.3Vを供給するようなイメージがあります。
表のパワートランジスタ内蔵タイプの最大入力電圧範囲を見ると、このイメージに該当しそうな40V品の他に7V、20Vのラインアップがありますが、役割を教えてください。

おっしゃられたイメージの用途では40V品が対応します。12Vバスはもちろんのこと24Vバスを扱えます。24Vを扱えるパワートランジスタ内蔵の同期整流タイプは業界でもあまり多くないので、設計者には朗報だと思います。20V品は基本的に12V入力、ものによっては5V入力も可能です。7V品は12V/24Vから降圧された5V/3.3Vからの降圧を想定しています。MCUやFPGAなど3.3V以下の電圧で動作するデバイスが増えているので、バス電圧降圧後の低電圧を降圧するセカンダリDC/DCコンバータという位置付けです。高耐圧品だけではなく低電圧品にもLB品が必要です。

今の説明を整理する意味で、もう一つ表をお持ちしました。この表は、標準的な3.3V、5V、12V、24V入力電圧に対する機種ごとの対応範囲と出力電流が示されているのでわかりやすいと思います。

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-産業機器の特に12V、24Vからの降圧には、ダイオード整流タイプのDC/DCコンバータが一般的なイメージがあります。
このシリーズは同期整流タイプですが、どんな意図があるのでしょうか?

産業機器のバス電圧の降圧には、ダイオード整流(非同期整流)タイプが多く使われているのは事実です。特にこの部分は12V、24Vといった比較的高い電圧であり、バスという観点からは大元から配電される関係上外乱も想定しなければならないため、頑強な電源が必要とされます。こういった意味で、従来からの実績を含めダイオード整流タイプが好まれて来たのだと思います。

一方、同期整流タイプは、ラップトップPCなどバッテリ駆動機器への採用に端を発し、現在では高効率が必須である携帯機器では標準的な電源になっています。既知の事実として、一般的にダイオード整流タイプの最大効率は80%を超える程度なのに対して同期整流タイプは90%を超える高効率を達成できます。まずは、高効率である点が同期整流タイプの一番のメリットになります。

近年は、省電力化と小型化が必須の要求事項になっています。これは産業機器でも例外はなく、頑強さのために大きく武骨で効率も少々犠牲にするなど許される状況にはありません。こういった状況に対処するためには、電源は高効率が達成できる同期整流タイプを大いに利用するべきだと考えています。

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-同期整流タイプは、すでに様々な電子機器で使われていると思いますが、なぜ産業機器ではそれほどではないのでしょうか?

難しい質問ですね(苦笑)。やはり、実績という点で採用に二の足を踏むケースが多いようです。実際は、従来から同期整流タイプにも高耐圧品はありますし、世における実績としてはすでに十二分ではないでしょうか。どちらかと言えば民生寄りの機器に使われているので、産業機器には向いていないイメージもあるのかも知れません。

このようなことも含めて、LB品は性能など実質的な面と長期供給保証、小リール販売といった産業機器特有の要求に応える仕様になっています。イメージから来る懸念などは払拭したいと思います。

-同期整流タイプを使うことで、電源の効率が向上し省力化を図ることができることはわかりました。
小型化についてはどうでしょうか。一般に同期整流タイプはダイオード整流タイプに比べ部品点数が増えて設計も複雑になると聞いたことがありますが。

間違いではありませんが、それはコントローラタイプのICを使った場合のことだと思います。このシリーズは、コントローラタイプが2機種ありますが、他はパワートランジスタを内蔵しており、必要な外付け部品はインダクタ1個と入出力のコンデンサ、設定/調整用の抵抗とコンデンサが数個ずつです。これと一般的なダイオード整流タイプを比較すると、ダイオード整流タイプはどうしてもショットキダイオードが外付けになるので、主要部品は逆に増えてしまいます。近年の同期整流タイプは、取り込めるものは可能な限り集積しており、コントローラタイプも同様で、パワートランジスタが内蔵か外付けかの違い程度しかありません。部品点数や設計の手間は、ダイオード整流には必要なダイオード1個が不要なので、今や同期整流の方が優位といっていいと思います。

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もう一つサイズに関して重要なファクタをお話しさせてください。部品点数が同じだとしたら、サイズに影響を与えるのは部品自体のサイズです。IC自体はいずれも小さなものですが、電源回路で大きさが目を引くのはインダクタと入出力のコンデンサです。これらは、スイッチング周波数が高くなれば、単純に小さな値のものが使用でき、自ずとサイズも小さくなります。一般には損失や制御といったことから同期整流のほうがスイッチング周波数を高くしやすく、メガヘルツのスイッチングを行う同期整流タイプは珍しくありません。実は、実装面積に関しては、ICや部品点数より外付け部品のサイズが支配的になることがほとんどです。一例ですが、写真がありますので見比べてください。これは40V入力のパワートランジスタ内蔵型のBD9E300EFJと、同等の能力のダイオード整流タイプの比較です。実装面積はおおよそ半分になっており、インダクタがかなり小さく、ダイオードがないこともわかると思います。

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-そう意味でLB品は、産業機器のお客様の安心と利便性をサポートする長期供給保証と小リール販売に加え、省力化と小型化に寄与する効率とサイズという実質面を持ち合わせているということですね。

それが、このシリーズの意図するところなんです。新規設計はもちろんですが、改版などでも是非検討してほしいと思います。

※小リール販売は随時対応中です。個別にお問い合わせ願います。

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産業用グレード降圧DC/DCコンバータシリーズ -その1-

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