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伝達関数

DC/DCコンバータ:各制御系に対する伝達関数の共通化

昇圧コンバータの導出例

前回の降圧コンバータに続いて、今回は昇圧コンバータの導出例を示します。前章も参照しながら読み進んでいただければと思います。

昇圧コンバータの伝達関数導出例

今回は昇圧コンバータの伝達関数を導出しますが、降圧コンバータと同じく、あくまで導出する伝達関数は、 です。降圧コンバータの伝達関数の導出においては、以下の2つのステップを踏みましたが、昇圧コンバータに関しても同じステップで伝達関数を導出していきます。

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●ステップ1:系の安定状態を考える

手順としては昇圧コンバータと同様です。図6は、ダイオード整流型の昇圧コンバータの基本回路です。系の安定状態とは以下の2つの状態で、各々を式と図で示します。

① コイル電流は一周期で変化しない
② コンデンサの電荷量は一周期で変化しない

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●ステップ2:外乱に対する変化量を求め、伝達関数を記述する

以下に、計算例を示します。

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式5-7、5-8に対して、とおいて代入すると、以下のようになります。

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そして、式5-11、5-12を連立してを求めると、以下のようになります。

dentatsu_170525_06

比較のために降圧の伝達関数を並べてみました。もちろん、導出結果は違うのですが、昇圧モードにおいても、降圧モードと同じアプローチによりを導出していることに着目してください。

キーポイント

・各コンバータにおいて導出するのは、Δvout/ΔD、ΔiL/ΔDである。

・伝達関数は、系の安定状態を考え、外乱に対する変化量を求める2つのステップで導出する。

・この項では、昇圧コンバータの伝達関数を導出したが、降圧コンバータとまったく同様にして導出した点に着目。


DC/DCコンバータ セレクション・ガイド