伝達関数

状態平均化法-静解析

2016.09.13

この記事のポイント

・状態平均化により導出した式に、静状態=0を代入して、静解析を行う。

・静解析の結果は、降圧圧、昇圧、昇降圧モードのすべてに適用できるものである。

前回は、降圧、昇圧、昇降圧モードのすべてに適用できる伝達関数を導出するために、「状態平均化」の説明をしました。今回は、導出した式をもとに静解析を行います。前回の式を使いますので、前回の内容も合わせて読んでもらうと理解しやすいと思います。

静解析

前回導出したコイル電流とコンデンサの電荷量の式を上段に示します。

これらの式をもとに静解析を行います。静状態(定常状態/安定状態)において、コイル電流の変化量、出力コンデンサの電荷の変化量はともに 0 (ゼロ)なので、0を代入した式を2段目に示します。Dは時間に書き換えてあります。

これらの式を整理すると、3段目の式4-22と4-23になります。

tf_15_fom4-1

式4-22は、一般によく知られたVIN、Vout、Dの関係式になります。

式4-23は、コイル電流の平均値は、1周期で出力負荷に供給されることを意味しています。

この考え方は、降圧コンバータだけに適用されるものではなく、昇圧コンバータと昇降圧コンバータにも適用できます。

以下に、各コンバータの静的状態の動作をまとめました。

tf_15_fig11

tf_15_fig12