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スイッチングレギュレータの基礎

長所と短所、リニアレギュレータとの比較

図 29

図 29

電源設計を始めるにあたって、おおよその仕様が決まれば、次はスイッチングレギュレータかリニアレギュレータの選択という作業に入ることになります。要求仕様を満たすために明らかにどちらかでなければならない場合はいいのですが、どちらでも行けそう、というケースも多々あります。この際は、それぞれの特徴と長所短所をもとに検討することになります。図29にスイッチングレギュレータの長所と短所、そして図30にはリニアレギュレータとの比較をまとめてみました。

一番の長所は、変換が自在にできる点だと思います。降圧が最もよく利用されると思いますが、電池などの低電圧から昇圧したり、正電圧から反転させ負電圧を作ったり、あるいは、リチウムイオン二次電池(例:4.2V~2.8V)から3.3Vのような入力が出力電圧をまたぐ場合は昇降圧も可能です。

次は、やはり効率が高い点だと思います。種類にもよりますが、最大95%くらいの効率が可能です。ただし、スイッチングレギュレータの効率は、負荷電流の大小によってかなり変わります。基本的には、負荷電流が小さくなると効率は大きく下がります。これは、近年要求の厳しい待機時電力の削減とも関係しますので、スイッチングレギュレータの課題となっています。

図 30:リニアレギュレータとの比較

図 30:リニアレギュレータとの比較

短所は、コンデンサや抵抗といった能動部品、ダイオードやトランジスタなどの半導体部品に加えて磁気部品が必要になり、部品数自体も増えて設計が複雑になる点です。昨今のスイッチング電源用のICは、必要な回路の集積化を高めて、調整も簡単にできる工夫が進んでいますので、以前よりは簡単に 電源を設計が出来る様になりました。それでも、リニアレギュレータに比べれば複雑であることは間違いありません。また、スイッチング動作をしますので、それに関連したノイズやリップルが出ます。ノイズが多いとアプリケーションによって使いにくいのは事実です。また、EMI(電磁妨害)規制への適合など、評価にも手間と時間がかかります。

最後にコストに関しては、単純にIC単体や構成部品だけの話をすれば、リニアレギュレータと比べてどうしても高くなってしまいます。ただし、リニアレギュレータも放熱板をともなうと面積や体積も考慮することになりますので、扱う電力が大きくなると、スイッチングの方がトータルのソリューションコストが安くなる場合があります。設計においては、各長所、短所をよく検討して、目的に合う方式を選択することが大切です。

キーポイント

・スイッチングレギュレータは効率が良いことが一番のメリットだが、デメリットもよく理解したうえで使わないと、様々な問題に遭遇する。


リニアレギュレータとスイッチングレギュレータの基礎