DC-DCコンバータ|基礎編

スイッチングレギュレータの種類

2014.05.27

この記事のポイント

・スイッチングレギュレータにはAC-DCとDC-DCがあり、その中でも様々変換方式がある。

・設計に適した方式を選択するため、各方式の長所/短所を理解する必要がる。

図 27:回路方式による分類

図 27:回路方式による分類

スイッチングレギュレータには、いろいろな種類があり、分類の仕方もその観点により様々です。ここでは、入力電源の種類からスタートし、主に回路方式で分類をしようと思います。まず、入力電源がDC(直流)かAC(交流)かでDC-DCコンバータとAC-DCコンバータに分けることができます(図27参照)。ここでの「DC-DCコンバータ」という記載は、DC電圧を入力電源としてDC電圧に変換し出力するもの、「AC-DCコンバータ」は、AC入力でDC電圧に変換するものを表しています。

DC-DCコンバータとAC-DCコンバータのそれぞれには、非絶縁型と絶縁型があります。絶縁型は入力(一次側)と出力(二次側)が絶縁されているタイプで、絶縁には主にトランスフォーマが利用されます。産業機器や医療機器など、障害時に高い安全が求められる場合には標準的に使用されます。非絶縁型は入出力間に導通があり、特に絶縁の必要がない同回路基板内での電圧変換などはほとんどが非絶縁型です。

非絶縁型および絶縁型のコンバータを構築するには、それぞれに適した回路方式があるので、回路方式による分類が可能です。図27の同期整流式とかフライバックと記されているのが回路方式あたります。構成部品や回路規模、もちろん動作原理も異なります。

次に、機能と動作方式による分類を示します。図28はその概要です。そして、ここからはDC-DCコンバータで話を進めて行きます。AC-DCコンバータは、初段でACを整流-平滑した後は基本的にDC-DCコンバータとしての動作になるので、以後は同じと考えてください。

図 28:機能と動作方式による分類

図 28:機能と動作方式による分類

DC-DC変換においては、入力電圧を降圧または昇圧することができます。また、この応用として昇降圧、反転といった変換も可能です。必要な機能よって、例えば降圧コンバータを選択することになり、回路構成や選択するICは異なります。

出力電圧を制御する動作モードとして、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)とPFM(Pulse Frequency Modulation:パルス周波数変調)があります。PWMはスイッチング周期(周波数)が一定でONとOFF時間比調整することで安定化を行うモードで、PFMはONまたはOFF時間は一定で周波数を変更する方法です。詳細は後述します。

そして、出力を安定化するためのフィードバック制御の方式として、電流モード、電圧モード、ヒステリシスという種類があります。こちらも詳細は後述します。

スイッチングレギュレータは、これらの組み合わせによって構成されており、用途、入出力条件、設計仕様や性能目標、そしてコストやサイズといった制限事項の検討によって最適なものを選択することになります。そのためには、それぞれの方式の特徴と長所短所を知っておく必要があります。

【資料ダウンロード】スイッチングレギュレータの基礎

DC-DCコンバータという括りで、リニアレギュレータとスイッチングレギュレータの基礎についての内容になっています。

スイッチングレギュレータの種類

DC-DCコンバータ

スイッチングレギュレータの基礎