DC-DCコンバータ|基礎編

リニアレギュレータの動作原理

2014.05.27

この記事のポイント

・リニアレギュレータの出力安定化は、エラーアンプを使った帰還ループ制御に基づく。

一般的なリニアレギュレータの回路構成

図 1:一般的なリニアレギュレータ

リニアレギュレータは、基本的に入力、出力、GNDピンで構成されており、出力が可変のものはこれに出力電圧を帰還するための帰還(フィードバック)ピンが追加されます(図1参照)。

リニアレギュレータの内部回路の概要を図2に示します。基本的にエラーアンプ(誤差検出用のオペアンプ)、基準電圧源、出力トランジスタによって構成されています。出力トランジスタはPch MOSFETになっていますが、NchのMOSFET、バイポーラのPNP、NPNトランジスタも使われます。

一般的なリニアレギュレータの内部回路構成。オペアンプを使った帰還(フィードバック)ループ回路になっている

図 2:内部回路概要

動作は完全なアナログです。オペアンプを使った基本的な制御回路の一つである帰還(フィードバック)ループ回路になっています。入力や負荷が変動して出力電圧が変動し始めても、エラーアンプが連続的にレギュレータの出力電圧からの帰還電圧と基準電圧を比較して、差分がゼロになるようにパワートランジスタを調整し、VOを一定に保ちます。これが帰還ループ制御による安定化(レギュレーション)です。

具体的には、前述のようにエラーアンプの非反転端子の電圧は、常にVREFと同じになろうとするので、R2に流れる電流は一定になります。R1とR2に流れる電流はVREF÷R2で求められるので、Voはこの電流×(R1+R2)になります。これは、オームの法則そのままです。これを式で表すと以下のようになります。

リニアレギュレータの出力電圧の計算

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