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損失の検討

電源ICの電力損失計算例

ここまでは損失発生部分の損失をここに計算してきましたが、今回はそれらをまとめて電源ICの損失として計算した例を示します。

電源ICの電力損失計算例(MOSFET内蔵同期整流型ICの場合)

電源ICの損失という観点で考えた場合の該当を図に示しました。今回は出力段のMOSFET内蔵型のICを例にします。該当するのは青色の部分です。インダクタは外付けになるので除きます。もし、今までの説明に使ったコントローラタイプのICの損失を計算する場合は、MOSFETとインダクタの損失は含まないことになります。

D5_10_graf01

損失を計算するのには、個別の計算で示した式の各項に該当する値が必要です。基本的にはデータシートに示されている値を使います。

一般に、データシートの規格値、つまりICのパラメータの値には、最小値、代表値、最大値が示されています。パラメータによっては最小値か最小値、または代表値のみなど、すべてのパラメータにこの3つの値が揃っているわけではありません。

それらのどの値を使うかという点に関しては、様々な考えがあるかと思いますが、値のばらつきを考慮すると、最悪条件での損失は計算しておくべきだと思います。

D5_10_graf02

今回は、右に示した値を使います。これらは最悪条件を前提にしています。計算手順としては、それぞれに示した式で個々の損失計算を行い、加算することになります。

① ハイサイドMOSFETの伝導損失

D5_10_graf03

② ローサイドMOSFETの伝導損失

D5_10_graf04

③ハイサイドMOSFETにスイッチング損失

D5_10_graf05

④ デッドタイム損失

D5_10_graf06

⑤ ICの制御回路による消費電力

D5_10_graf08

⑥ ゲートチャージ損失

D5_10_graf08

電源ICの電力損失の合計

D5_10_graf09

この例では、電源ICの電力損失が約1Wとなります。計算のための情報が揃えば、特に難しいものではないと思います。

キーポイント

・電源ICの電力損失は、個別箇所の損失の合算になる。

・計算に使う値については考え方が様々だが、確認として最悪条件での損失は計算すべき。


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