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スイッチングレギュレータの特性と評価方法

スイッチングレギュレータの基本:ブートストラップ

ブートストラップ回路は、出力スイッチの上側トランジスタにNch MOSFETを使う場合に必要になる回路です。最近では多くの電源ICがこの回路を搭載しているので、電源回路の評価に関連して動作を理解しておくとよいでしょう。

Nch MOSFETはオン抵抗が低く、スイッチとして使えば効率を向上させることができます。また、オン抵抗を同じとするのならPchMOSFETより安く入手できると思います。しかし、上側のスイッチとしてNch MOSFETを使い完全にONさせるには、十分なVGS、つまりドレインより高い電圧が必要になります。通常、ドレイン電圧はVIN(入力電圧)なので回路内で一番高い電圧になるため、これ以上の電圧は外部で用意するしかありません。その電圧を作るのがブートストラップ回路です。

構成は簡単です。スイッチとコンデンサ、ダイオードで構成される昇圧チャージポンプで、スイッチ電圧(VIN)と内部電圧を足した電圧を上側のNch MOSFETのゲートドライブとして利用します。

ブートストラップが不要なPch+Nch構成

ブートストラップを利用したNch+Nch構成

  1. Nch MOSFETはオン抵抗が低く効率向上に寄与し安価でもある
  2. 上側のトランジスタをNch MOSFETにするには、ドレインより高いVGSが必要
  3. 内部回路用の内部電源の電圧では足りない
  4. スイッチとコンデンサ、ダイオードによる昇圧チャージポンプでよって、上側のNch MOSFET用ドライバの高電圧を生成
    上側ゲートドライバ電源電圧=VIN+内部電源電圧-ダイオードのVF

昨今、中電力以上の回路では出力のスイッチングトランジスタはNch MOSFETが主流になっています。少し部品点数が増えても、効率を重視する傾向です。最近では、部品点数を減らすために、外付けのダイオードをICに取り込んだタイプもあります。

ちなみに、ブートストラップ回路は同じ理由で非同期整流タイプにも用いられており、Nch MOSFETだけではなくバイポーラNPNトランジスタを使うタイプの飽和電圧を下げるためにも利用されています。

キーポイント

・Nch MOSFETはオン抵抗が低く効率向上に寄与し安価でもある
・上側のトランジスタにNch MOSFETを使うにはブートストラップが必要


スイッチングレギュレータの特性と評価方法