DC-DCコンバータ|設計編

出力コンデンサの配置

2016.06.07

この記事のポイント

・出力コンデンサは、なるべくインダクタの近くに配置する。

・高周波ノイズの伝導を低減するため、CINのGNDとCOのGNDは1~2cm離して配置する。

前回の「インダクタの配置」に続いて、今回は重要部品の一つである「出力コンデンサの配置」ついて説明します。ここでの説明と合わせて、出力コンデンサの役目や要求事項を確認しておくと良いと思います。DC-DC設計編「出力コンデンサの選定」を参照してください。

出力と入力のコンデンサ電流の違い

復習になりますが、最初に入力コンデンサCINと出力コンデンサCOに流れる電流の違いを確認しておきます。波形図のICOが出力コンデンサ、下のICINが入力コンデンサの電流波形です。

入力コンデンサには比較的大きな電流が急激に繰り返し流れますが、出力コンデンサは出力電圧を中心に出力リップル電圧と連動した滑らかな充放電を繰り返します。これは、出力ラインに直列にインダクタが挿入されているからで、インダクタLとCOは出力フィルタの役目も持ちます。

D4_7_ico.gif

出力コンデンサの配置

COのGND接続はCINのGND接続部分から1~2cm離れた位置で、なるべくインダクタの近くにします。

上述のように、入力コンデンサには急峻な立ち上がり/立ち下がりの電流が繰り返し流れるため、CINが接続されるGNDパターンには数百MHzの高周波が流入します。当然ながら、COが接続されるGNDパターンは同じGNDパターンなので、CINの接続場所の近くにCOを配置すると、入力の高周波ノイズが COを介して出力へ伝導する可能性があります。右下の図は、これを模式化したものです。

D4_7_bd.gif

COのGNDをCINのGNDから1~2cm程距離を置く理由は、薄膜配線のインダクタンスと抵抗成分がフィルタの役目をして、高周波ノイズを低減することができるからです。つまり、寄生成分をうまく利用するわけです。

全体の位置関係の例は、上の基板パターン図を参照ください。

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