要求仕様固め

2014.05.27

この記事のポイント

・電源の仕様決定は後回しになる場合が多いので、質の高い設計を短時間で行う必要がある。

最初の作業として重要なのは、要求仕様を明確にすることです。本来は、これが最初で一番重要なのですが、電源仕様は回路基板全体の仕様が決まらないと決めることができないという宿命があり、しばしば設計期間が終わりに近づいてから大急ぎで取り掛かるといった話をよく聞きます。そうとはいえ、まずは何か決めなければ進まないので、仮仕様として必要な電圧と推定される負荷電流をもとにスタートします。本来スタート時点で決まっていなければならない主な内容は以下の通りです。

図 30

入力条件を例にとると、国内向けだけなら100VACを考えればよいのですが、海外へも販売するものであれば、その国の電圧や全世界に通用するユニバーサル入力対応が必要です。また、国によっては電圧が不安定なところもありますので、許容差をどの範囲で考えるかなど、多くの検討事項があります。それによって、部品の選択が大きく変わりますので、スタート時点で可能な限りの情報を集めておくことが非常に重要です。厳密なことをいえば、仕様がはっきりしないのに設計を進められるわけがありませんが、目的は期日内に的確な電源を設計することなので柔軟な姿勢も必要です。

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