AC-DC コンバータ|評価編
絶縁型フライバックコンバータの性能評価とチェックポイントとは
2015.06.02
この記事のポイント
・設計した絶縁型フライバックコンバータが正常動作し、設計目標の性能を達成しているかを評価するのは、製品化への必須作業。
・評価には、ノウハウに基づくチェックポイントがあり、このノウハウがあると製品化までの時間が短縮できる。
AC-DCコンバータに関する新編、「評価編」を開始します。「絶縁型フライバックコンバータの性能評価とチェックポイント」と題して、絶縁型フライバック方式のAC-DCコンバータ回路の性能評価のための測定方法と、実測データ例を示します。また、評価する際に性能面だけではなく、正常動作しているかどうかを確認するための重要チェックポイントについて説明して行く予定です。
性能評価では、最初に評価を行う回路を構成するための電源ICの特徴を理解することから始めます。「設計編」の「AC-DC PWM方式フライバックコンバータ設計手法」でも説明したように、昨今の電源設計においては使う電源ICの理解が必須だからです。
続いて、電源としての設計目標、例えば出力電圧精度などの仕様を決めて、それを実現するための回路設計を行います。この章の目的は評価方法を知っていただくことなので、設計自体の説明は割愛しますが、評価を行う電源回路を確認します。
最後に、その回路を使った電源IC評価用のボードを使って、設計目標を達成できているかどうかを確認します。
次の項として、設計した回路が正常に動作しているかどうかを確認するためのチェックポイントと測定方法を説明します。基本的に設計目標を満足していれば大方は問題ないのですが、マージンや潜在的な問題などをチェックしなければ、量産、そして出荷することはできません。チェックポイントは、一種のノウハウです。経験や実績に基づき、的確かつ短時間で潜在的な問題を発見することが可能になります。