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SiC-MOSFETを使った絶縁型擬似共振コンバータの設計事例

主要部品選定:電源ICのBO(ブラウンアウト)ピン関連部品

前回のVCCピン関連部品に続いて今回もこの設計に使用する電源ICのBOピンに関連する部品定数を決めて行きます。BOピンは、電源IC BD7682FJのブラウンアウト機能の設定ピンです。

ブラウンアウト機能とは

ブラウンアウト機能は、入力電圧VINが正常動作に必要な電圧より低い場合に、スイッチング動作を停止する保護機能です。この機能はBOピンが担っており、例えば起動時はBOピン電圧がブラウンアウト検出電圧値を超えるまでスイッチング動作を開始せず、不確定な出力電圧を発生させません。また、動作中にVINが低下し、BOピン電圧がブラウンアウト検出電圧値を下回るとスイッチング動作を停止します。動作停止時はラッチせず、VINが復帰しBOピン電圧が再びブラウンアウト検出電圧値を超えると自動的に動作を再開します。

ブラウンアウト設定抵抗R7、R8、R9、R10、R15およびBOピンコンデンサC8

この回路図は、BOピンに必要な抵抗とコンデンサ、そして内部機能ブロックを示しています。BOピンはIC内部の電圧コンパレータの非反転入力に接続しており、コンパレータの反転入力には比較電圧1.00Vが与えられています。これにより、ブラウンアウト検出電圧VBOは、標準1.00V、最小0.92V、最大1.08Vが規定されています。

BOピンには、VINをRHとRLで抵抗分圧した電圧を入力し、1Vをしきい値としてスイッチング動作の開始と停止を制御します。つまり、RHとRLにより、スイッチング開始および停止電圧を設定します。

また、抵抗値の算出には、下記のブラウンアウト検出ヒステリシス電流IBOを考慮する必要があります。

VBO<1V(スイッチング停止状態):IBOのシンクあり
VBO≧1V(スイッチング動作状態):IBOのシンクなし

A5_10_graf01

IBOは標準15µA、最小10µA、最大20µAが規定されています。

以下に、RHとRLの設定例を示します。

スイッチング動作を開始するVIN(低→高)をVINON、動作を停止するVIN(高→低)をVINOFFとすると、

A5_10_graf02

これらの式から、RHとRLは下記式で求めることができ、
VINON=90V、VINOFF=60V、VBO=1V、IBO=15µAとすると、

A5_10_graf03

先に示した回路では、
RH=R7+R8+R9+R10=470kΩ+470Ω+470Ω+470Ω=1.88MΩ、RL=R15=33kΩとしました。

コンデンサC8は、BOのラインはインピーダンスが高いためノイズに敏感なため、必ずつけてくだい。目安は0.01µF~1µFです。上記回路では0.1µFを選択しました。

キーポイント

・ブラウンアウト機能は、VINが正常動作に必要な電圧より低い場合に、スイッチング動作を停止する保護機能。

・VINを抵抗分圧した電圧をBOピンに与え、動作開始および停止電圧を設定する。

・定数計算は数式に則る。


PWM方式フライバックコンバータ設計手法