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AC/DC

SiC-MOSFETを使った絶縁型擬似共振コンバータの設計事例

主要部品選定:入力コンデンサおよびバランス抵抗

前回のMOSFETの選定に続き、今回は入力コンデンサとバランス抵抗の定数を決めていきます。

主要部品選定:入力コンデンサC2、C3、C4

右の回路図は、全体から該当する入力部分を抜粋したものです。入力には入力コンデンサとして、C2、C3、C4の3個のコンデンサが必要です。回路全体の確認に必要な場合には、こちらを参照してください。

入力コンデンサの静電容量は以下の表から決定します。

入力は、設計事例回路で説明したように、AC入力電圧を整流した以降はDC電圧になるので、DC入力電圧値をもとに定数設定をしていきます。

入力電圧仕様:300~900VDC(400~690VAC)
Pout=24V×1.1A=25W

上記よりCinは、1×25=25µFとなり、33µFのコンデンサを選択します。

入力コンデンサは、入力が途絶えた際の入力電圧を保持する時間などにも関係しますので、静電容量はそれらの仕様も考慮して選定することが可能です。

次に、入力コンデンサの耐圧を検討して決定しますが、この回路は上記のようにかなりの高電圧を扱いますので、入力コンデンサには高耐圧が要求されます。入力コンデンサの耐圧は、最大入力電圧以上が必要になります。最大入力電圧を80%としてディレートします。

最大入力電圧/ディレーティング=900V/0.8=1125V

1125Vに対応するには、450V耐圧のコンデンサを直列に3個使用することで、450V×3=1350Vの耐圧を得られます。当然ながら、全体で33µFの静電容量を得るには、各コンデンサの静電容量は3倍必要なので、100µF/450Vのコンデンサを選択します。

主要部品選定:バランス抵抗R1、R2、R3、R4、R5、R6

必要な耐圧を得るため、コンデンサを直列に接続する手法を取りましたが、この場合、すべてのコンデンサにかかる電圧を一定にする必要があり、そのためにバランス抵抗を各コンデンサと並列に入れます。回路図からわかるように、バランス抵抗は入力とGND間に直列に入るので、バランス抵抗に流れる電流は単純に損失になるため、抵抗値は470kΩ以上を推奨します。バランス抵抗R1、R2、R3、R4、R5、R6の損失は以下になります。

バランス抵抗損失(W)=最大入力電圧×最大入力電圧/バランス抵抗の合計
=900V×900V/(470k×6=2.82MΩ)=0.287W

まとめると、

入力コンデンサC2、C3、C4:100µF/450V
バランス抵抗R1、R2、R3、R4、R5、R6:470kΩ

となります。

キーポイント

・入力コンデンサは必要な耐圧を得るために直列接続を利用する。

・コンデンサを直列接続した場合にかかる電圧を均一にするためバランス抵抗を挿入する。

・バランス抵抗は単純にIR損失となるので、抵抗値に注意する。


PWM方式フライバックコンバータ設計手法