絶縁型フライバックコンバータ回路設計

2014.09.16

この記事のポイント

・この回路で部品定数の計算や選択のポイントなどを説明して行く。

ここからは実際に絶縁型フライバックコンバータの設計に入ります。最初に、例題用に選択した制御IC「BM1P061FJ:AC-DC用 PWM コントローラIC」を用いた回路図を示します。

ここからのセクションでは、この回路に必要な部品選定や各部の定数の計算方法を説明していきます。したがって、他のセクションでもこの回路を参照する必要があります。この回路を参照する必要があるセクションには、リンクを設けますのでご利用ください。

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この回路は、先に決定した「例題としての電源仕様」と満たすように設計されています。

例題としての電源仕様

  • ・入力電圧:85~264VAC
  • ・出力:12VDC±5% / 3A 36W
  • ・出力リップル電圧:200mVp-p
  • ・絶縁耐圧:一次-二次間 3kVAC
  • ・動作温度範囲:0~50℃
  • ・効率:80%以上
  • ・無負荷時入力電力:0.1W以下

入力電圧はフィルタを介して、全波整流器DA1とC1により整流および平滑化が行われます。この整流されたDC高電圧は、トランスT1に入力され、スイッチングトランジスタQ1によってスイッチングされます。トランスT1の二次側となる出力は、フォトカプラによって絶縁され、AC-DCコンバータ用ICのIC1にフィードバックされます。このフィードバックループによりスイッチングトランジスタQ1が制御され、出力は安定化されます。これがこの回路の大まかな構成です。

他にも部品や回路がありますが、続くセクションで説明して行きます。

【資料ダウンロード】PWM方式フライバックコンバータ設計手法

実際の電源用ICを用いた設計手法の説明です。電源仕様の決定から電源ICの選択、レイアウト設計に関する内容の他、一般にあまり説明のないトランスの数値算出方法と構造設計の具体例を含んでいます。

絶縁型フライバックコンバータ回路設計

AC-DC コンバータ

PWM方式フライバックコンバータ設計手法