狩野派、絢爛の美の向こうに激動の歴史が。
  東大手門から城内に入り、左手へ。
やがて見えてくる二の丸御殿の入り口が、唐門です。
金箔や彫刻細工を随所に施した四脚門は、煌びやかな外観が徳川家の栄華を訪れる人に強く印象づけます。
二の丸御殿は床面積が3,300u。車寄に始まり、遠侍(とおざむらい、諸大名の控室)から式台(老中の詰所)、大広間(将軍と諸大名の対面所)、蘇鉄の間(板敷きの大廊下)、黒書院(将軍の私的応接室)、そして白書院(将軍の居間・寝室)までの6棟が雁行(棟ごとに後ずさりして配置)しながら建ち並び、部屋数は33室(畳数800畳余り)に上ります。
建築様式は帳台構や違棚・床の間・付書院を備え、江戸時代に確立された武家風書院造り。江戸時代初期としては現存する唯一の遺構であることから、国宝に指定されています。
部屋には明障子や襖が多用され、明るく開放的な印象。また、遠侍二の間・三の間の「竹林群虎図」(ちくりんぐんこず)や黒書院二の間の「桜下雉子図」(おうかきじず)など、襖には狩野派一門作の障壁画が所狭しと描かれています。
とりわけ、将軍が諸大名と対面した大広間一の間・二の間に展開される狩野探幽筆の「松孔雀図」(まつくじゃくず)は圧巻。襖全体を使った大胆さと緊張感あふれる画面構成のなかに、流麗で繊細な筆致が息づき、二の丸御殿のなかでも極めて格調高い雰囲気を醸し出しています。
   
二の丸御殿 外観
二の丸御殿 外観
二の丸御殿
二の丸御殿
唐門
唐門

大広間一の間   大広間一の間「松孔雀図」   黒書院二の間「桜下雉子図」
大広間一の間   大広間一の間「松孔雀図」   黒書院二の間「桜下雉子図」
大広間四の間「松鷹図」   遠侍二の間「竹林群虎図」
大広間四の間「松鷹図」   遠侍二の間「竹林群虎図」
 
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