高さ22m。禅宗独特の迫力あふれる柱が居並ぶ南禅寺の三門は、別名「天下竜門」とも呼ばれ、知恩院三門、東本願寺御影堂門とともに京都三大門の一つに数えられます。
開創当時の門は火災で焼失しましたが、寛永5年(1628年)に戦国大名の藤堂高虎(とうどうたかとら)が大坂夏の陣で倒れた武士の冥福を祈り、弔うために再建しました。
この三門は登ることができ、上層からは眼下に京都の町並みが広がります。
この門から眺める京の町の美しさに、天下の盗賊・石川五右衛門が「絶景かな、絶景かな」と見得を切ったことは、歌舞伎「楼門五三桐」(さんもんごさんのきり)の名場面としても有名です。
実際の三門が建てられたのは五右衛門の死後でしたが、古くより創作話に使われるほど、三門から眺める京都の街の風景は格別です。
境内で門に向かって右方には江戸時代の大名・佐久間勝之が納めた高さ6m余り、東洋一の大きさを誇る石灯籠もあります。
なお、三門は明治32年(1899年)に国から重要文化財に指定されました。 |