奨学生レポート RMFレポート インタビュー

留学を始めて(荒井優利奈さん)

荒井 優利奈さん/Ms. Yurina Arai
(専攻楽器ヴァイオリン/violin)

[ 2018.04.26 ]

学校名:ウィーン国立音楽大学

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の荒井優利奈です。
いつも多大なるご支援をしていただきありがとうございます。心から感謝しております。

昨年の夏からウィーンで暮らし始め、今までの生活が一変し不安と期待を感じながら私の留学生活が始まりました。

<カウナス市庁舎でのコンサート>

 

9月にはリトアニアのカウナスとヴィリニュスで2回演奏させていただく機会をいただきました。
カウナスでの演奏会はリトアニア大使館主催の「杉原ウィーク」というリトアニア人、ユダヤ人、日本人の3民族の心が一つに集い、杉原千畝氏を絆として日本とリトアニアの関係を発展させるイベントで、映画の上映や公開講座、展覧会などが開催された一環で私は演奏させていただきました。

カウナス滞在中には杉原千畝記念館にも足を運ぶことができました。記念館では杉原さんの勇気と決断力の強さ、またとても人道的な生き方に感銘を受け同じ日本人として大変誇りに思いました。

私自身誰かのために何ができるだろうと考えるきっかけにもなり、今の私には自分の精一杯の演奏を届ける事で喜びや悲しみを分かち合え、時には勇気をも与え人の心に寄り添える演奏をすることなのかなと強く思いました。

 

<ヴィリニュスでのコンサート>

 
ヴィリニュスでの演奏会はブルッフのヴァイオリン協奏曲をリトアニア国立フィルハーモニーと共演させていただきました。
2月に行われたハイフェッツ国際コンクールでのファイナルの舞台で演奏した歴史あるホールで同じオーケストラと再び共演しに戻ってくることができたことは大変嬉しく思いました。
オーケストラの方も聴衆ももとても温かく迎えてくださり、演奏後は大きな拍手、舞台裏ではほぼ全員の団員の方から声をかけていただけ、とても温かく幸せな気持ちになりました。

 

そして10月からは大学も始まりました。
海外でのマスタークラスだったり国際コンクールなどで海外に行く機会は今までにも何度もありましたが、いざ異国の地で生活を始めるとなると、今までとは全く違う大変さや苦労があり、何度となく心が折れそうになったりもしましたが、たくさんの周りの方に助けていただきながら充実した、刺激的な日々を送っています。
私がウィーンに来た夏はまだオフシーズンでしたが、秋以降は毎晩のように素晴らしいオペラやコンサートが行われており、それも日本では考えられないような値段でオペラやコンサートを聴くことができます。

素晴らしいコンサートやオペラを見た後の幸福感に満ちた感覚は忘れられません。

 

<ドーラ先生と>

 
そして私の先生、ドーラ先生のレッスンでは、音楽とは何か、自分が音楽を楽しんでいなくて誰が感じられる、今どんな音を出していたか、わかっているようでわかっていない、聞いているようで聞けていない、そんなことを見つめ直すきっかけを作ってくださいます。

もちろん楽しいことばかりではないということも、全てわかった上でアドバイスを下さるので先生からの指摘はとても自然に私の身体の中へ入っていきます。

ドーラ先生に出会って私が今まで描いていた音楽観が何となく変わった気がします。厳しさの中にも愛情があり、とってもチャーミングで、何よりも生徒のことを親身になって考えてくださる先生のことを心から尊敬していますし、そんな先生と一緒に勉強できていることがとても幸せなことだと感じます。

決して当たり前ではないこの恵まれた環境で勉強させていただけることへの感謝の気持ちを忘れず、新しい出会いや発見を大切に、さらに自分に磨きをかけ精一杯頑張っていきたいと思っております。

これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

<ウィーンのブルグ公園とモーツァルト像>


音楽家としてだけでなく、人間として成長する上で、人との出会いは大事ですね。 ぜひこの縁をさらに拡げていって、様々なチャンスをつかんでいってください!