奨学生レポート RMFレポート インタビュー

留学先の生活とサンクトペテルブルクでの協奏曲(黒岩航紀さん)

黒岩 航紀さん/Mr. Koki Kuroiwa
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2018.04.13 ]

学校名:リスト・フェレンツ音楽大学

ロームミュージックファンデーション奨学生の黒岩航紀です。
昨年9月からハンガリー、ブダペストのリスト・フェレンツ音楽大学(リスト音楽院)に留学しております。

<ハンガリーブダペストの部屋>

 

ブダペストでの部屋は広く、日本の練習場より天井が高く乾燥しているという条件もあり、かなり練習の感覚は変わりました。
10月に入るまではその違いに戸惑い、演奏は良くても、練習という意味では思うように進まないこともありましたが、だんだん慣れてきたように思います。レンタルに選んだピアノとは他に、部屋には元ピアニストであった大家さんが使っていたピアノもあり、2台ピアノとなっています。

 

演奏会のため日本とブダペスト、ブダペストからヨーロッパ各地へと行く機会が多いのですが、その中で特にご報告したいものがあります。

昨年12月に、ロシア・サンクトペテルブルクの『音楽の家』より日本人若手ピアニストとして招聘され、ベロセーリスキ・ベロゼールスキ宮殿ミラーホールにおいてアレクサンドル・ティトフ氏(ロシア功労芸術家)指揮、サンクトペテルブルク国立アカデミーオーケストラとブラームスピアノ協奏曲第1番を共演しました。

 

『音楽の家』というのは2006年にプーチン大統領の肝いりでロシア文化省の組織として設立された団体で、日本からは2014年に若手ヴァイオリニスト2名を推薦した経緯があるようです。

今回協奏曲のソリストに日本の若手演奏家を招聘したいというお話があり、白羽の矢が当たったのは光栄です。

それだけ責任がある演奏でもありましたが。

 

ブラームスピアノ協奏曲第1番は、この演奏会のちょうど1ヵ月前の11月5日宇都宮文化会館第ホールにて、大井剛史氏指揮、東京フィルハーモニー交響楽団と成功をおさめていた、スコアの隅々まで勉強した作品でしたので不安はありませんでした。
本番前2日間に指揮者とオーケストラとの合わせでは、僕の曲に対する解釈を理解してもらうべく努力を行い、徐々にまとまりを見せていった感じがありました。

<ベロセーリスキ・ベロゼールスキ宮殿外壁の掲示板。>

 

会場は元お城で、コンチェルトを通常行なっている日本のホールに比べれば小さく、オーケストラも観客も近い。

いつもとは違った感覚でしたが、オーケストラと観客と会場が一体感に包まれる感覚は国境を超えたところにあり、どこでも同じです。楽しい50分はあっという間に終わり、満員の聴衆からブラボーが飛び交いスタンディングオベーションもありました。

指揮者を始めオーケストラのメンバーからも声をかけられ握手を交わし、音楽監督セルゲイ・ロルドゥギン氏にも絶賛され、日本とロシアの芸術文化交流の役目は無事に果たせたと思います。

<2017年12月13日。演奏会が無事に終了>

<音楽監督でもあるチェリストのセルゲイ・ロルドゥギン氏と>

 

ロシアビザ取得(しかも観光ではない、文化的交流という)を留学先のブダペストで自から行い、ロシアと直接やりとりを行ったため、少しハードルは高かったのですが、素晴らしく有意義で貴重な経験ができ、確実に成長に繋がりました。

これからさらに演奏を磨きたくさんの方々に演奏を聴いていただく機会がありますように、精進していこうと強く感じています。

 


海外でのコンサート、大成功で何よりです! ぜひ多くのチャンスを得て演奏を磨いていってください。