奨学生レポート RMFレポート インタビュー

ヨーロッパを訪ねて(黒田哲平さん)

黒田 哲平さん/Mr. Teppei Kuroda
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2018.01.19 ]

学校名:桐朋学園大学

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の黒田哲平です。

いつもご支援をしてくださり、本当にありがとうございます。おかげ様で大変に充実した日々を送っております。

現在は桐朋学園大学で勉強しており、様々な経験をさせていただいていますが、今年の夏は海外で忘れられない体験が出来ました。

それは、ブルガリアに行き、セミナーとコンクールに参加したことです。

コンクールでの演奏の様子

<コンクールでの演奏の様子>

 

セミナーでは個性溢れる一流の先生方から演奏に関する数多くのヒントを頂きました。

自分の演奏技術について根本から見直すきっかけになるほど刺激的なレッスンもありました。

また、そこで開かれた第4回ヴィクトル・メルジャーノフ国際ピアノコンクールでは、ありがたいことに第1位及びブラームス賞を頂くことができました。

その結果というよりも、聴衆の皆様に温かくお聴きいただき、また国を超えて音楽を共有できたことが、何より嬉しかったです。

ガラコンサートにも数回出演し、日本とはまた違う雰囲気を満喫しました。来年もヨーロッパでのリサイタルの機会を頂くことになり、今からとても楽しみです。
特に興味深いエピソードとしては、コンクール会場にあったピアノのことがあります。

会場には3台のピアノが置いてあり、参加者には事前にその中から好きなピアノを選ぶ権利が与えられていました。

その3台のうち2つは聞いたことのないようなメーカーのピアノでしたが、残る1つは曰く付きの(!)ベヒシュタインだったのです。

それはその昔ルーマニアの王女のために作られ、ブルガリアの兵士がなぜか持ち帰って来たピアノだそうで、どのような経緯でそのホールに運び込まれたかは、今となっては分からないようです。

ヨーロッパの古い建物ではそれはそこまで珍しいことではないのかもしれませんが、それにしてもそのピアノの持つアンティークで独特な、魅惑的な響きは…そのベヒシュタインを選んだ他の参加者とともに、僕は「伝説のピアノ」という渾名をつけてしまったほどです。

しかしそのピアノは鍵盤が異様に低く、普通の椅子では膝がつかえて弾けません。

そこであのピアノが弾けるような椅子が無いだろうかと奔走し、やっと見つけた椅子がこれまた風変わりな姿をしている、、、そこでその椅子に改良を加え、ようやく「伝説の椅子」が完成しました。

その2つの「伝説」によるコラボレーションが功を奏し、本番は音楽を楽しむことに集中できました。

 

ブルガリアでの山登りの様子

<ブルガリアでの山登りの様子>

 
それから、ブルガリアへ行く途中と、日本への帰り道、ウィーンとワルシャワに立ち寄ったことも非常に印象的でした。

その土地で育った作曲家と、彼らの音楽に想いを馳せますと、その作品の持つ味わいがより一層深く感じ取れ、益々好きになりました。
わずかの滞在期間ではありましたが、あまりにも感動と収穫と思い出が多く、有意義な旅行となりました。
こうして少しずつ経験を積んでいける幸せと共に感じるのは、やはり人とのご縁はかけがえのないものだということです。

音楽を続けられることは応援してくださる方々のおかげだと痛感することが、これまで何度もありました。今後も数多くの壁にぶつかると思いますが、そのことを忘れずに音楽に向き合っていきます。
今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

ウィーン訪問中一番感激したウィーン中央墓地にて

<ウィーン訪問中一番感激したウィーン中央墓地にて>

 


ピアノを弾く姿…こんな姿で弾かなければならないピアノは初めて見ました! こんなことが経験できるのも海外ならではでしょうか…。 ぜひこれからも多くの経験を積んでいってください。