奨学生レポート RMFレポート インタビュー

留学生活(伊東裕さん)

伊東 裕さん/Mr.Yu Ito
(専攻楽器チェロ/cello)

[ 2017.11.24 ]

学校名:ザルツブルク・モーツァルテウム大学

ロームミュージックファンデーション奨学生の伊東裕です。いつもご支援をしていただき本当に感謝しております。

雨の多いザルツブルクですが、この季節になると雨が降った日は格段に気温が冷え込みます。

58887

<ザルツァッハ川>

 

昨年からザルツブルクに留学しているのですが、留学の決め手は、今師事しているブロンツィ先生に習いたいということでした。

東京芸術大学に在学している時から、いずれは海外で勉強してみたい気持ちがありましたが、なかなか決心がつかず、いろんな国の先生のマスタークラスを受講してきました。

2016年の夏にイギリスの湖水地方の講習会に参加したのですが、ほぼ毎晩コンサートがあり、そんな中でピアノ・トリオの演奏会を聴く機会がありました。

本当に素晴らしく、中でもチェロという楽器の表現力の可能性を余すことなく聴かせていたチェリストに衝撃を受けました。

そのチェリストがブロンツィ先生で、その後コンタクトを取って留学するに至りました。

先生の演奏は独自のファンタジーとパッションに溢れているのですが、レッスンは本当にアカデミックで、楽曲のアナリーゼも、楽器のテクニックもどちらもシステマチックに整理されていてとても理解しやすく、レッスンのたびに新鮮さを感じています。

先生はイタリア人でイタリアにご家族と暮らしているので、レッスンは定期的ではないのですが、レッスンがある日は生徒がお互いのレッスンを聴講していて、毎回マスタークラスのような緊張感があります。

 

IMG-20170628-WA0001

<ブロンツィ先生と門下生>

 

留学してからいろんなコンサートを聴く機会に恵まれました。

中でも印象に残っているのはカザルス弦楽四重奏団のオールモーツァルトプログラムのコンサートと、アルゲリッチ&バレンボイムのデュオコンサートです。

カザルス弦楽四重奏団の演奏は、すべての音に意味合いがあってとても上品で、共感できる表現がたくさんあり、今まで一番深い感動をしたモーツァルトでした。

アルゲリッチとバレンボイムのコンサートはザルツブルク音楽祭で聴いたのですが、アルゲリッチの音色にただただ心奪われ、またバレンボイムの曲の構築力やモチーフの捉え方などがとても勉強になりました。

 

P1060999

<ハルシュタット>

 

留学生の仲間とザルツブルクからバスで2時間ほどのハルシュタットという世界遺産に観光に行ってきました。

ハルシュタットは湖水地帯ザルツカンマーグート地方の最奧に位置し、映画「サウンド・オブ・ミュージック」の撮影にも使われました。

一泊二日の日程で、昼前にザルツブルクを経ち、オーバートラウンという隣街でその日はロッジを借りて一泊。

食料など買ってきて自炊して、ハルシュタット湖を眺めたり、満天の星空(普段見えない星がたくさん見えて正座を見つけるのに苦労するほどでした)を眺めたりしました。

次の日はハルシュタットの街へ行き町並みを観光。あいにくの雨でしたが街も湖も周りを囲む山も本当に圧巻でした。

 

日本でも夏に紀尾井ホールの明日への扉シリーズに出演させていただいたり、以前審査員をした奈良の地元のコンクールの参加者を含めたコンクール記念オーケストラとコンチェルトを協演させていただいたり、ロシアのレーピンとザハロワの舞台のバックオーケストラに参加させていただいたり、貴重な経験をすることができました。

 

もう留学生活も2年目ですが、これからも感性を磨きつつ、コンクールに挑戦したり、人との出会いを大切にしながらいろんなことに挑戦していきたいと思います。

 

 


自分に多大な影響を与えてくれた方の指導を受けることができるのはすばらしいことですね! ヨーロッパで数多くのすばらしいプレーヤーの演奏をたくさん聴いて、伊藤さんの音楽を作っていってください。