奨学生レポート RMFレポート インタビュー

冷静に情熱を燃やす(村田圭代さん)

村田 圭代さん/Ms. Kayo Murata
(専攻楽器音楽学/musicology)

[ 2017.10.13 ]

学校名:東京藝術大学大学院

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の村田圭代です。

東京藝術大学大学院の博士後期課程に在籍し、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの音楽を研究しています。

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現在の指導教員の先生のもとでバッハの音楽を勉強したい、との一心で学びの舞台を京都から東京へと移し、早数年が経ちました。

 

右も左も分からないまま飛び込んだ新たな世界は、寝食を忘れ無我夢中で吸収すべきことに溢れていました。

とりわけ、いわゆる西洋芸術音楽(「クラシック」)に限らず、古今東西のあらゆる音楽の有り様について考える機会を持てたことで、視野がぐんと広がったように感じています。

 

博士後期課程に入学後は、課外で作曲理論の勉強にも取り組んでいます。

和声法や対位法を基礎から学び直し、現在は、バッハ様式のコラールおよびフーガの書法の体得を目指しています。

 

作曲理論のノート

<作曲理論のノート>

 

さて、私は博士論文で、バッハの、最初期から約二十年に亘る作曲技法の変遷を、新たな観点から跡付けようとしています。

初演日を(ほとんどの場合において一応)推定可能な声楽曲のみならず、資料状況の芳しくない器楽曲をも分析対象としており、いずれ、器楽曲の成立年代の推定や真贋判定にも寄与しうると考えています。

 

先日、英欧米圏のバッハ研究者が一堂に会された場で、口頭発表の機会に恵まれました。

これまで「著者」として紙上でお名前のみを存じ上げていた先生方より、自身の観点について直にあたたかいお言葉を頂くことが出来た、あの瞬間の感動は決して忘れられないものとなりました。

口頭発表の様子

<口頭発表の様子>

 

これまでの私は、既に膨大なものとなっているバッハ研究の蓄積を前に、時に立ち竦んでしまうこともありました。

指導教員の先生に多くをご指導頂き、この度の口頭発表を経て今ようやく、真の一歩を踏み出せたように感じています。

現在は、研究の更なる発展に、私自身もわくわくしています。

 

貴財団のあたたかいご支援のおかげをもちまして、音楽に専念することが可能となりました。

衷心より感謝申し上げます。

奨学生期間中には、今後の研究の礎ともなる博士論文の完成度を高め、同時に、バッハ研究史を形作って来たあらゆる文献を丁寧に読み込むことで、素地を築きたいと考えています。

引き続き、貴財団奨学生としての自覚と誇りを胸に、学問に邁進します。

 

 


自身が勉強している本の著者とお話ができることは貴重な経験ですね。これからも大きな壁があるかとは思いますが、ぜひさまざまな経験を積んでいってください。