奨学生レポート RMFレポート インタビュー

大学院生活の1年目を終えて(吉澤淳さん)

吉澤 淳さん/Ms.Makoto Yoshizawa
(専攻楽器ソプラノ/soprano)

[ 2017.09.29 ]

学校名:アントンブルックナー音楽大学大学院

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の吉澤淳です。

オーストリアでの勉強を始めて早くも1年が経過致しました。

学期末のクラッセンアーベント後に先生と門下生で

<学期末のクラッセンアーベント後に先生と門下生で>

 

振り返ってみると大変だったこと、苦しかったことも多々ありますが、それ以上に新しい発見やチャレンジが思い浮かびます。

中でもオペラへの初挑戦は私にとって大きな挑戦でした。

ヘンデル作曲のオペラ「セルセ」のロミルダ役に選出して頂き、4月と5月にリンツ、そしてバートハル市立劇場での公演に参加をさせて頂きました。

今回の公演がオペラ一作品を通して一役を演じる初めての機会でした。

初めのうちは、たくさんの演出の指示が飛び交う稽古の中で、遅れをとらないようについていくことに必死でした。

特に今回はオーソドックスな古典的演出ではなく、新しい現代演出によるものだったため(中には3分でルービックキューブを全面揃えるという演出指示も!)、自分の中で消化し、自分のものとして表現していくことが大変で時間のかかる作業でした。

また改めて音楽を奏でることと演じること、どちらかに偏ってしまうことなく、舞台の上で役を通して伝えることが難しいことだと感じるとともに、そのプロセスがこれほど楽しい作業なのかと感じました。

キャストの友人らの支えもあり、少しずつ稽古にも慣れてくると、実際に演出家に疑問をぶつけてみたり、一緒に考えたりと稽古の時間がより有意義な時間となっていきました。公演も無事に終えることができ(ルービックキューブを全面揃えるという演出も全公演成功しました!)、終演後には多くのお客様と直接お話することができ、嬉しいお言葉を頂くことが出来ました。

 

バートハル市立劇場での公演後

<バートハル市立劇場での公演後>

 
また6月には在籍するアントンブルックナー音楽大学と国際キワニスによるパートナーシップコンサートに選出いただき、リンツでのコンサートに参加させて頂きました。

終演後には、春のオペラ公演を観たわよ!と声をかけてくださる方がいたりと、オペラ公演に続き、こうしてお客様の反響を直接感じることができ、今後の更なる成長に向けての大きな励みやエネルギーとなりました。

 

また、こちらでの授業の中で印象深かったものが、音楽家として自分の足で進んでいく中で、音楽以外にも必要となる自己マネージメント力や社会の中で音楽家として生きていく基礎やノウハウを指導してくださることです。

オーディション等への書類等の準備や細かな諸注意に始まり、自身のレパートリーについて、実際のオーデション等での振る舞いなど、他にも様々な指導がなされており、日本でいう就職活動の準備にどこか似ています。

どれも知っているようで知らなかったことばかりで、演奏が素晴らしいだけではない一人の音楽家として、社会で生きていく上でとても大切な時間であると感じました。

 

他にも、音楽や聴衆層をいかにしてさらに普及させていくかについて、音楽を学ぶ私たち自身で考える授業もありました。

クラシック音楽を楽しむ、という点でヨーロッパと日本も同じ問題に直面していたり、あるいは日本でもこんなことをやってみたらどうだろう、など自分の音楽的な成長面以外にも、新たな発見が多い時間でした。

 

来年度はコンクール等への参加に加え、年内には早速演奏会も控えておりますので、さらに貪欲に音楽と向き合っていきたいと思っております。

最後になりましたが、2016年度がこのように実り多き一年となりましたのも、ロームミュージックファンデーション様の多大なるご支援のおかげであり、また2017年度も引き続きご支援いただけることに心より感謝申し上げます。

奨学生としての残り一年を、昨年度以上に挑戦、そして成長をしていけるような一年としたいと思います。

 

初夏になると大学の庭で日光浴や友達とコーヒーを飲んだりします

<初夏になると大学の庭で日光浴や友達とコーヒーを飲んだりします>

 

 


オペラの中でルービックキューブ…違う意味で緊張しそうですね!無事成功して何よりです! 音楽家の就職活動も大変ですので、そこは一般企業に勤めることと同じで音楽面以外でもきっちりやることは大切だと思いますので頑張ってください!