奨学生レポート RMFレポート インタビュー

最終レポート(田原綾子さん)

田原 綾子/Ms. Ayako Tahara
(専攻楽器ヴィオラ/Viola)

[ 2017.08.21 ]

学校名:桐朋学園大学、パリ・エコールノルマル音楽院

ロームミュージックファンデーション奨学生の田原綾子です。
クーラーのないパリは、6月というのに37°という信じられない温度にまで達し、息をするのもやっとという生活でしたが、また一気に気温が下がってくれたお陰で、過ごしやすい日々が戻ってきました。

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ここでの生活も早一年が経とうとしており、まだまだ不慣れなことが数多くあるものの、先生方や周りの友人達に助けて貰いながら、何事も楽しみながら充実した時間を過ごしています。

3月に高校から7年間通い続けた桐朋学園大学を無事に卒業し、春からはエコールノルマル音楽院での勉強が中心になってきました。

 

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週に1、2回の頻度でブルーノ・パスキエ先生からの指導を受けていますが、先生のおっしゃる言葉ひとつひとつに愛とエネルギーが溢れており、お手本で一音弾いて下さっただけでも沢山の音の表情や表現がこれでもかというくらい伝わってきます。

先生の下で学んでから一年が経つ今でも、そんな素晴らしいレッスンには感激することばかりで、音楽だけに没頭できる環境で勉強していることも相まって、以前より音楽との距離が少しずつ近づいてきたような気がしているのです。

また、私にとって夢のひとつだったヨーロッパの教会でバッハを演奏する機会に恵まれたことも、西洋音楽の本場で勉強している喜びを強く感じる出来事となりました。学内での室内楽やオーケストラの授業にも参加し、他の生徒や教授方と交流することも多く、来年度も継続して通うこの学校での繋がりを今後も大切にしていきたいと思っています。

 

また、パリは学生にとって間違いなく素晴らしい環境であり、貴重なコンサートが学生料金で聴けるだけでなく、有名なルーブル美術館やオルセー美術館を始め、どの美術館にもなんと無料で入ることが出来ます。

モネやルノワールにセザンヌ、ゴッホにピザロと、教科書でしか見たことのなかったような絵画や彫刻が目の前にある衝撃と感動は言葉に出来ないほどで、作者ごとの色使いやタッチ、そのスケール感など、音楽にも通じる所を感じられたことがとても興味深かったです。

そう思うと街の中に自然に建っている建築物や普段口にする食事からもインスピレーションが湧いてくることも多く、パリという街自体が「芸術」に包まれているのだなあ…としみじみ感じ入ってしまいます。

 

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日本でもこの半年間、オーケストラとの協奏曲やソロのリサイタル、「題名のない音楽会」などのTV出演、そして同年代や先輩方などの素晴らしいアーティストとの室内楽での共演など、貴重な経験をたくさんさせて頂きました。

その時もパリで吸収したことが発揮出来るように精一杯努力し、どのように成長できているか、そしてまだ足りていないところは何なのかをよく分析して、常に自身と向き合うようにしています。

しっかりと地に足を付け、貪欲に学び、どんなことにもアンテナを張って生活することが、日本で勉強していた一年前と比べてみても格段に出来ていることを実感しており、更に成長するために沢山の場所に訪れ、人と触れ合い、もっともっと多くの刺激を受けていきたいです。

 

この2年間、自分の好きなことを好きなだけ集中して取り組めたのは、ひとえにロームミュージックファンデーション様の心強いご支援のお陰です。本当にありがとうございました。
時に言葉よりも雄弁に人の心に訴えかけ、語りかけることが出来る音楽。そんな素晴らしい芸術と一生をかけて付き合っていけるこの上ない幸せを噛み締めつつ、小さい頃からの夢である人の心に幸せを運ぶ音楽家を目指して、これからも頑張っていきたいと思っています。

 

 


パリの芸術を学生なら無料で入れる…なんとも理想的な環境ですね! 活躍の幅が広がっているようで何よりです。これからも素晴らしい音楽を聴かせてください。