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中間レポート 2016年を振り返って(加藤大樹さん)

加藤 大樹/Mr. Daiki Kato
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2017.01.26 ]

学校名:昭和音楽大学大学院博士後期課程

ロームミュージックファンデーション奨学生の加藤大樹です。

現在、昭和音楽大学大学院博士後期課程に在籍し、研鑽を積んでおります。

あっという間に2016年も終わりを迎えようとしております。振り返ってみると、この1年も充実した日々を送ることができました。

 

今年は様々なご縁が重なり、思いもしなかったような出会いもありました。その中で4月にはリトアニア・カウナスでの演奏会の機会を頂き、自分にとって初めてとなるヨーロッパでのリサイタルを行うことができました。

 

写真①

<カウナスでの演奏会終了後、会場のある高台から旧市街を臨んで>

 

リトアニアの旧市街は、あまり高さがほとんど変わらない建物が並んでいます。

それは戦時中、空爆の被害をできる限り避けるためだったと聞きました。

大国の支配に苦しんだリトアニアの歴史の一端を目の当たりにし、音楽家として生きる意味を自身に問いました。

音楽には言葉や文化の差異を超えて心を結び合うことのできる力があると私は信じています。

今なお、世界各地で戦火は絶えず、争いや飢え、病いに苦しむ人々がいます。

平和実現への強い意志を持ち、目の前の課題に一歩一歩、挑戦を重ねていこうとの思いを強くしました。

 

10月末から11月にかけては、韓国・統営で行われた「イサン・ユン国際コンクール」に参加しました。

この地に生まれた作曲家イサン・ユン(1917-1995)を記念したコンクールで、ピアノ・ヴァイオリン・チェロ部門が順に毎年開催されます。

3年ぶりとなる今回のピアノ部門には予備審査を通過した25名が参加しました。

 

写真②

<イサン・ユン国際コンクールにて>

 

宿泊、交通はすべてコンクール事務局が手配してくれ、更には滞在期間中の食費も補助が出ます。

またスタッフも非常に親切で、何不自由なく演奏に集中できる環境です。

コンテスタントは全員同じホテルに宿泊するので、何度も食事を共にし、お互いのことや音楽談義に花が咲き、楽しいひとときを過ごすこともできました。

 

結果は準決勝までと残念なものでしたが、審査員の先生方から示唆に富むアドバイスを頂くことができ、演奏の経験を通じて得たものも大きかったです。

 

帰国後、11月30日には東京文化会館にて渡邊一正指揮、東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団との共演でチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 作品23を演奏しました。

東京文化会館は自身が演奏活動を始めるきっかけとなったコンクールの決勝の会場でもあり、約6年ぶりとなるこのホールでの協奏曲の演奏は、原点に立ち返るような感慨深さがありました。

 

写真③

<終演後、指揮者の渡邊一正氏と>

 

2017年も更なる飛躍の1年となるよう、一層の努力と挑戦を重ねてまいります。

 

 


リトアニアでの思い、そして原点での演奏、どちらも今音楽を作り出す意味を考えさせられるものですね。 ぜひ素晴らしい経験をして今後の活動に活かしてください。