奨学生レポート RMFレポート インタビュー

ラトル&ベルリンフィル最後のアメリカ・ツアー(大野若菜さん)

大野 若菜さん/Ms. Wakana Ono
(専攻楽器ヴィオラ/Viola)

[ 2017.01.19 ]

学校名:ベルリン国立ハンス・アイスラー音楽大学

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の大野若菜です。

8月末からのベルリンフィル2016-17シーズンの幕開けはいろいろありました。

Philharmonie Open Air という野外でのコンサート、18時始まりで少しは陽射しも和らぐはず…だったのが、想定外の照り付けに皆汗だく、眩しくて太陽の移動と共に本番中にサングラスが飛び交うという事態になりました。

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<Open Air>

 

オープニングを終えた後、昨年と同じくツアーに出発、ザルツブルク音楽祭、

ルツェルン音楽祭、今年はロンドンのプロムス音楽祭にも出演しました。

 

ツアーから戻って定演のリハーサルが始まるという時、急にスタッフが妙な緊張感を漂わせて慌ただしい雰囲気になり、今回の定演はアカデミー生全員降りて!と通達が出ました。

皆が「何なのー」「幻想交響曲、弾きたかったのにー」等ブーブー言っていると、なんでもドイツ政府の元高官が亡くなって、そのセレモニーをフィルハーモニーで行うにあたり、ベルリンフィルはリハーサルが入っているのでアカデミー生が演奏することになったとか。

どんなエライ人だったのかなんてアカデミー生の誰も知らないので、急なことに皆ブツクサ言っているそばで、スタッフはなぜか焦っている様子。

どうやら大変なことらしい…。

翌々日、予想以上の厳戒警備態勢にビックリしながらホールに入ると、ドイツ国営テレビが全国に生中継するとスタンバイしている。

メルケルさんも来ました。

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<フィルハーモニーに入るメルケル首相>

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< 厳粛な式典>

 

私たちは、外務大臣をはじめ来賓のスピーチの合間毎にバッハやヘンデルを演奏しました。

ラジオの生中継を聞いていた人によると、演奏の度にベルリンフィル・アカデミー生による、と紹介されていたそうです。

貴重な経験だったかもしれません。

 

10月は巨匠ハイティンクのシューベルトとマーラー、ソキエフ&ルガンスキーとギリシャのアテネ公演も行きました。

そしていよいよ11月は3週間のアメリカ・ツアーです。

最初の公演地、ニューヨークに着いたのがなんと大統領選挙の当日。

こんな時にお客さん来るのかしら、と思ったのは大間違いで、カーネギーホール二日間とも完売、公開ゲネプロも満席でした。

やはりベルリンフィルはどこへ行っても人気があります。

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< カーネギーホール>

 

その後、ボストン、アンアーバー、トロント、ロサンゼルス、サンフランシスコで11公演を終えてベルリンへ戻ってきたところで、このレポートを書いています。

来シーズンで任期を終えるサイモン・ラトルとのアメリカ公演は、今回が最後でした。

ラストコンサートを終え、ベルリンへ帰る機中はしんみり……なんてことはありません!

フィルハーモニカーは本当によく喋る人たちで、座ってから話せばいいのに、席に着く前に一列ごとに喋って歩くので誰も座らず、なかなか離陸できないこともしばしば。

私もツアーはもう何度目かなので、ノイズキャンセルのヘッドホンを持参したのですが賑やかな話し声には効果なし。

寝るのは諦めて同じように歩き回り、あちこちでお喋りして、何杯もワインを飲みました!

 

そして、チャーター機でのお決まりといえば、着陸時の「枕投げ」(Pillow Fight)。

遊ぶことに真剣なメンバーは、機体が高度を下げてくると皆ソワソワと周りの「枕」を集め始めます。

そして、車輪が地上に着いた瞬間、一斉に全力で投げ合うのです!

私も意気込んで投げようとした時、真正面から顔に「バフっ」と一撃を受けてしまいました。まだまだ修行が足りないようです。

6 <第1コンサートマスターの樫本大進さんと>

 


ベルリンフィルとの活動は本当にすごい経験ですね。 そして遊ぶことに真剣な団員…その光景はぜひ見てみたいです!