奨学生レポート RMFレポート ミュージックサロン インタビュー

たくさんの演奏機会で実践、充実の日々(小林壱成さん)

小林 壱成さん/Mr. Issei Kobayashi
(専攻楽器ヴァイオリン/violin)

[ 2016.12.13 ]

学校名:東京藝術大学

ロームミュージックファンデーション奨学生の小林壱成です。

ご支援を得て、おかげさまで音楽の勉強を続けられることに、感謝お礼申し上げます。

写真1「銀座王子ホールNew Year Spesial Concert「MAROワールド」終演後の笑顔」

<「銀座王子ホールNew Year Spesial Concert「MAROワールド」終演後の笑顔」>

 

ちょうど昨年の秋、第84回日本音楽コンクールに入賞以降様々な演奏の機会をいただき、曲や演奏自体のことばかりでなく、プロとしてのステージ実践や演奏家の方々との繋がりなど、大変良い経験となり多くの勉強をさせていただいております。

大晦日には東京文化会館大ホールにて「ベートーヴェン全交響曲連続演奏会」、小林研一郎氏の指揮、メンバーはほとんど日本のオケのコンサートマスターや首席奏者の方々ばかりで構成されたスペシャルオケに参加させていただき、午後から数回の休憩を挟んで真夜中新年が明ける頃までに全曲を演奏。

今年2016の大晦日にも3度目の出演が決まっておりますおかげで、1st,2nd両パートともとりあえずは一通り制覇。

 

新年には銀座王子ホールにて「New Year Special Concert」に出演。

篠崎史紀とMAROカンパニー、俳優の石丸幹二さんらと一つのステージを作りました。

石丸さんの朗読でヴィヴァルディとピアソラの「四季」をソロ持ち回りで演奏、舞台演出にも沿って演技いたしました。

 

春には「東京・春・音楽祭」にて、「国立科学博物館ナイトミュージアムコンサート」でのミニリサイタル、「東京都美術館コンサート」では長原幸太さんらとカルテットにてモーツァルトの「不協和音」等、室内楽を演奏させていただき、音楽作りとステージ演出を考えながらのリハーサルを重ねる実戦となっています。

5月には、4回目の参加となる「マキシム・ヴェンゲーロフ フェスティバルTokyo」のうち、「福島・熊本のためのチャリティコンサート」に、「ヴェンゲーロフが選んだ日本の若手ソリスト」の一人として演奏させていただく機会をいただき、ヴェンゲーロフ氏のステージに対する姿勢からはもちろん、エレーヌ・グリモーさんや素晴らしい共演者の方々の演奏から全身で刺激を浴びました。

 

写真2 トランスシベリア芸術祭2016 オープニングパーティにて

<トランスシベリア芸術祭2016 オープニングパーティにて>

 

6月には「トランスシベリア音楽祭 スヴェトラーナ・ザハーロワ&ヴァディム・レーピン夢の共演」にフェスティバルアンサンブルとしてツアー同行。

ロシアバレエの世界的プリマドンナと最高峰の踊り手のリハ―サルをまじかに見ることができ、驚きと感動。

どちらかといえばこわもてかと思われるレーピン氏のリラックスした優しい側面も知りました。

 

また、「若い芽のαコンサート」にて山下一史指揮ニューフィルハーモニー千葉(秋より千葉交響楽団に改名)様とヴィエニャフスキのコンチェルト共演、30回目という歴史あるコンサートで、過去出演の方々はいずれも現在大活躍中で縁起も良く、地元千葉県のお客様より大変暖かい応援をいただいて嬉しい限りでした。

 

7月には早稲田エクステンションセンター、朝日カルチャーセンターでの公演を経てJTアートホールにて「ラ・ルーチェ弦楽八重奏団Vol.3」の本公演。

エネスコ、メンデルスゾーンなどを演奏しました。藝大と桐朋から4人ずつ8名のメンバー(そのうち5人がロームミュージックファンデーション奨学生という心強いメンバー!)で3年前に結成、留学中ほか活躍するそれぞれのスケジュールを合わせることなどいろいろと大変ですが、チケットはありがたいことに完売となり、これからも無理なく続けていきたい活動です。

また、新開館した長野市芸術館のレジデントとして、作曲家久石譲氏芸術監督ナガノチェンバーオーケストラに参加させていただき、善光寺の奉納演奏に始まり2公演、久石さんの曲をはじめ、ヴィヴァルディ、ベートーヴェンからペルト、マルティノフまで、古い時代から現代曲までひとところにという贅沢なプログラムでの演奏でした。

 

これらのほかにも、神戸松方ホールにて「第19回松方ホール音楽賞の記念コンサート」、「100万人のクラシックライヴ」として福島の作曲家・湯浅譲二氏のご実家の大きな病院でリサイタル、東京都世田谷区の小学校でのアウトリーチ等々や、NHK交響楽団などにエキストラで演奏させていただき、パーヴォ・ヤルヴィ、フェドセーエフなどの世界的指揮者やジャニーヌ・ヤンセン、クリストフ・バラ―ティなどの演奏家のもとリハーサルを重ねるという素晴らしい環境でオーケストラの経験をさせていただいております。

 

また大学関連としては、選抜で藝大室内楽定期演奏会、推薦にてラフォルジュルネ・オ・ジャポンへの出演や、藝大早期教育プロジェクトにて現役藝大生としての模範演奏、また招聘教授リスト音楽院のドラ―フィ先生とバルトークの「コントラスツ」を共演してのレクチャ―コンサート、11月には藝大モーニングコンサートにて藝大フィルハーモニアとショスタコーヴィチのコンチェルト共演、藝大シンフォニーオーケストラのコンサートマスターとして定期演奏会、音楽大学フェスティバルへの出演、作曲科卒業作品の演奏などの予定もあります。この4月には来年からの留学に向けてドイツ語検定試験の資格を取得し、9月には東京藝術大学大学院修士課程の受験を終え合格しました。

 

写真3 ミュンヘン滞在中お世話になったお屋敷

<ミュンヘン滞在中お世話になったお屋敷>

 

春夏には2回の国内セミナーのほか、夏にはミュンヘンのセミナーに奨学金付きで参加が叶い、スタインウェイハウスにてソロリサイタルの機会を得ました。著名な医師ご夫妻の、文化財認定もされている広い庭の古いお屋敷に滞在させていただき、ドイツの文化歴史や自然を浴びるような素晴らしい体験をしました。

 

写真4 ザルツブルグ旧市街の小路

<ザルツブルグ旧市街の小路>

写真5 オペラ

<オペラ>

写真6 ザルツブルグ夜景

<ザルツブルグ夜景>

 

続けてザルツブルグの夏期国際音楽セミナーにも参加し、期間中はザルツブルグ音楽祭でオペラ「ドン・ジョバンニ」、ピアノのユジャワン、ムーティ指揮ウィーンフィル等々、いくつものコンサートを聴きました。日本でモーツァルトの勉強をしてはいますが、実際にカメラ―タザルツブルグの演奏を聴くと「あぁ、モーツァルトって本当はこう弾くんだよね!」と、とても自然に納得することができ、このような学びを意欲的にますます増やして行かなければと考えています。

 

 


たくさんの演奏機会、そして学ぶ機会を得ているようですね。これからもチャンスをものにできるよう頑張ってください!