奨学生レポート RMFレポート インタビュー

真剣さと楽しさが表裏一体の世界(石井楓子さん)

石井 楓子さん/Ms. Fuko Ishii
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2016.10.21 ]

学校名:ケルン音楽大学/バーゼル音楽院

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の石井楓子です。

昨年の9月からはじめて海外・ドイツでの生活を始めました。

バルセロナでのデュオリサイタルにて<バルセロナでのデュオリサイタルにて>

 

東京では常に安定した環境で、コンサートに、コンクールに、と集中した日々を送っていましたが、新しい文化に飛び込むということで心機一転、とことんまでドイツの生活に、いやドイツ人になりきると思い込む(滑稽ではありますが)ところからはじめて、ありとあらゆるドイツ文化を堪能しました。

というのも、最初8ヶ月間ドイツのご家族の家にホームステイをし、同居の他の学生もメキシコ人、スイス人という顔ぶれで、最初こそ我に返ったときに自分が日本語を話せない状況に置かれていることに驚愕したものの、自然とそれが当たり前になっていき、わからないなりに言葉を組み合わせて会話を理解していく特殊能力が発達していきました笑

練習が単調なものではなく、いろんな日々の断面からそれぞれがいろんなインスピレーションを得て音楽を多様化させていく様は、まさに景色や自然が、そして人々の交流が豊かなドイツならではのことと思われ、練習から演奏会に至るまでの流れもとても自然に思われ、音楽生活と日常生活がなにかしら一致していることを知ることが私には大きな収穫でした。

一生懸命でありながら、どこかホッと息をつく時間も大切にして・・・そんな時間の使い方も私はいろんな国の友人から学びました。

個々の学生も先生方にはっきり意見を主張して、友人家族と会ったら必ずハグをして、年齢や立場に左右されることなく、納得するまで話し合いをして、そんな中、音楽、日常に限らず、「私」が当たり前だと思い込んでいたことは、もしかしてなにも当たり前ではないのかもしれないと不思議な感覚に襲われました。

 

ケルンカーニバルではミサでも仮装!!<ケルンカーニバルではミサでも仮装!!>

 

大きな例は、ドイツでは一般的な演奏前の「VIel Spaß!!」という言葉です。

日本でもどこでも誠実に演奏することに変わりはありませんが「楽しんでね!」と声をかけられるだけでなにか違った気持ちになるものです。

また直訳できない言葉にぶつかった時に、ハッとさせられることが多くありました。

 

京都交響楽団定期演奏会にて<京都交響楽団定期演奏会にて>

 

8月には京都交響楽団の定期演奏会で三善晃氏のピアノ協奏曲を演奏させていただきましたたが、自分の国の音楽について改めて考える、素晴らしい機会でした。この秋からは、スイスのバーゼル音楽院で勉強を続けます。

これから奨学金を頂きながら勉強ができるということで、1年通してケルンでたっぷり学んだ精神的な事柄を、より実践的な活動として形にしていけるように、ソロ・室内楽・リート伴奏の3本柱の中で、さらに積極的に舞台での演奏に挑戦していきます。

 

 

 

 


新しい土地で生活することで気づくことはたくさんあるようですね。この経験をどんどん音楽に活かしてください。