奨学生レポート RMFレポート インタビュー

シンポジウムコンサート(佐藤麻理さん)

佐藤 麻理さん/Ms. Mari Sato
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2015.08.21 ]

学校名:ウィーン国立音楽大学

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の佐藤麻理です。

写真3シンポジウム終了後

ウィーンでは毎日、様々なコンサートが行われています。

世界の一流音楽家のリサイタルやオペラはもちろん、子供用のコンサート、子供用オペラ、ジャズ、クラシックから様々な国の民族音楽、舞踏、古楽器を特集したものやポップス…と、その音楽文化ジャンルの豊富さは「音楽の都ウィーン」と言われるだけありとても豊富だと思います。

その他にも私がウィーンに来てからよく耳にするのは、シンポジウムコンサートや、レクチャーコンサート。

専門家が集まり意見交換や発表をし、テーマに沿った音楽がその場で生演奏される、というコンサートです。

先日私はこの形式のコンサートに参加させて頂きました。

 

一つ目は第二次世界大戦時のユダヤ系音楽家についてのシンポジウム。

私はブルーノ・ワルター(20世紀を代表するユダヤ系ドイツ人指揮者)が書いたヴァイオリンとピアノのためのソナタを、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の第二ヴァイオリン奏者、エフゲニーさんと一緒に演奏させて頂きました。

 

写真1 舞台袖のエフゲニー氏

<舞台袖で最終調整中のエフゲニー氏>

 

ウィーンフィルのヴァイオリニストと一緒に演奏する、と思うと初めは少し緊張しましたが、リハーサルでお会いするとエフゲニーさんはとにかく気さくで優しい方。

年下の私にも音楽家として対等に、「僕たちは今から同僚だから気がついた事は何でも言ってね!」と声をかけて下さり、一緒に音楽を作り上げ、本番でも一緒に白熱した演奏をする事ができました。
我々がオープニングでソナタを弾き、数人の専門家達がこのテーマについてディスカッションし、別のアンサンブルがコルンゴルドの五重奏を演奏して幕を閉じたこのコンサート。これはORF(ウィーンの国営ラジオ放送局) で公開収録、放送されました。

 

写真2 舞台横のラジオ録音ブース

<舞台横に設置されているラジオ局の録音ブース>

 

もう一つは、女性作曲家にスポットを当てたシンポジウムコンサート。
こちらは、あの有名はメンデルスゾーンの姉、ファニー・ヘンゼル・メンデルスゾーンに関するレクチャー付きコンサートです。
偶然、私も女性音楽家の作品について少し調べていたので興味深々!レクチャーをするためにドイツからウィーンへいらしていたコルネリア・バルチュ先生、なんだか聞いた事がある名前だなぁと思ったら、ちょうど参考文献として読んでいた本の著者の博士でした。

 

写真3シンポジウム終了後

<シンポジウム終了後。スクリーン前のピアノと>

 

ファニー・ヘンゼルの生い立ちに沿って、彼女の日記や手紙の朗読、先生のレクチャーがあり、その時々に関わりのある音楽が色々な楽器編成で演奏されていきます。ちなみに日記や手紙の朗読は、舞台演劇学部にいる俳優志望の方々。
どちらも、超満員のお客様に楽しんでいただく事ができました。このようなマニアックなテーマのイベントでも、一般のお客様などで満員になり盛り上がってしまうウィーン。歴史や音楽、文化への興味が深いからなのでしょうか。
ユダヤ系音楽家や女性作曲家など、専門的なテーマにスポットをあてた研究が盛んな本場ならではの企画に携わる事ができ、貴重な経験ができました。

そしてこれから自分でも、あまり演奏される機会が少ない作品や、同じ女性音楽家の作品なども積極的に勉強し演奏していきたい、と新たに取り組みたい課題を見つける事ができました。

 

写真4シンポジウム企画者のアンナさんと

<企画運営のアンナさんと>


先日はスカラシップコンサートでの演奏、ありがとうございました! ウィーンで出演されたコンサートは興味深いものですね。ウィーンのように日本で音楽が溢れているようになればいいですね。