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ブラームス国際コンクール(上野通明さん)

上野 通明さん/Mr. Michiaki Ueno
(専攻楽器チェロ/cello)

[ 2015.01.27 ]

学校名:桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコース

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の上野通明です。

この春、桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)を卒業し4月から桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコース1年生としての生活が始まりました。

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 <ブラームス国際コンクール表彰式の様子>

お陰様で4月の紀尾井ホールでの卒業演奏会を皮切りに浜松、東京・青山でのソロリサイタル、サントリーホール、ルネこだいらで東京交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団とコンチェルト共演、トッパンホールで室内楽の共演、国際コンクールへの参加やル・ポン音楽祭、ドイツのクロンベルク・チェロマスタークラスへの参加…と、沢山の貴重な経験と演奏のチャンスに恵まれ最高に充実した半年間でした。

 

財団の皆様の素晴らしいサポートのおかげで思い切り活動することができ、心から深く感謝しています。

初めてのレポートは、この半年間で僕にとっては一番大きな出来事だったブラームス国際コンクールでの優勝をメインにお伝えしよう思います。

 

ブラームスは大好きな作曲家で、生涯大切な自分のレパートリーにしていきたいと思っていたので、いつかこのコンクールを受けてみたいと思っていました。

会場はブラームスが避暑に訪れていたというオーストリアのペルチャッハという所で、自然がとても美しく、ブラームスが実際に一人で散歩していたかもしれないに木々に囲まれた小道や湖、滞在していたホテルなどを目の当たりにし、澄み切ったおいしい空気を胸いっぱいに吸うだけで自分が内側から変化し、そこで演奏できるだけでなぜか幸せでいっぱいな気持ちになりました。

審査員の先生方がその場で採点札を上げ点数が決まるというユニークなコンクールで、ブラームスを心から愛するペルチャッハの聴衆の皆様や先生方が自分の音楽を一体どう感じてしてくれるのだろうととても興味がありました。

 

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結果としては満点を含む素晴らしい評価を頂くことができ優勝することが出来て本当に嬉しかったです!

温かく応援して下さった地元の皆様はもとより先生方、参加者の方々とも新しい交流が芽生えた事も大変有益でした。

幾つもの部門がありましたがピアノ、ヴァイオリンに負けず劣らずチェロ部門の人気が高かった事、そしておそらく今の日本ではまだそれほど加熱していない室内楽と声楽への関心と愛着がペルチャッハではとても強かった事が印象的でした。

この経験をフルに生かしてこれからも更に誠実に作曲者やその音楽と一体となり魂のこもった演奏をしてゆきたいと思います。

 

また、以前からずっと参加したかったドイツのクロンベルクアカデミーへの参加もついに実現しました。

ダヴィッド・ゲリンガス、フランス・ヘルマーソン、ゲーリー・ホフマン、ジェローム・ペルノなどの著名な先生方のマスタークラスで、今回はフランス・ヘルマーソン先生のレッスンを受講しました。

先生方のコンサートや、世界中から同じ志を持ち腕を磨いて来る沢山の学生たちのレッスンを聴講出来た事も最高の刺激になりました。

 

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ヨーロッパに数週間滞在し、やはり現地に身をおいて作曲家が何を感じて数々の作品を生み出したのかを肌で直で感じ、深く勉強していきたいと思いました。

これからも皆様への感謝の気持ちをエネルギーの源にして、さらに大きな目標に向かって一歩々々精進して行きたいと思いますので、今後共どうぞよろしくお願い致します。

 

上野通明

 

 


コンクールの優勝、おめでとうございます! 多くの経験ができたようですね。ぜひこれからも様々なことに挑戦していってください。