奨学生レポート RMFレポート インタビュー

中間レポート(井坂実樹さん)

井坂 実樹さん/Ms.Miki Isaka
(専攻楽器フルート/flute)

[ 2014.12.24 ]

学校名:ジュネーヴ高等音楽院

ロームミュージックファンデーション奨学生の井坂実樹です。
尊敬する師を追って飛び込んだジュネーブですが、2年を過ごし、すっかり自分のホームのような愛着が沸いています。

ジェドーの景色

<町のシンボル、Jet d’eau>

 

市街地中心部の様子

<サン・ピエール大聖堂の頂上>

 

大聖堂頂上の様子

<町の中心街>

 

そんな今年度は先ず2つの現代音楽演奏会に参加させて頂くことから始まりました。
1つ目は昨年のジュネーブ国際音楽コンクール作曲部門の一環、審査委員長Ivan FEDELE氏の作品紹介コンサートです。

真っ黒の上どんな音が出るのか全く想像がつかない楽譜に、楽器と譜面台にマイクロフォン、自分にもヘッドセットを装着して、会場には6つの巨大スピーカー、客席の真ん中にはサウンドエンジニアさんが座り、リアルタイムで音をミキシングしていきます。

自分が吹いているのに自分も音の中に入り込んだような、まさに未知の世界でした。

 

FEDELE氏との写真

<演奏会後、FEDELE氏と>

2つ目はスイス・ロマンド管弦楽団へヴァイオリン・コンチェルトを書き上げたPascal DUSAPIN氏のソロ曲です。

こちらはスイス・ロマンド管弦楽団の本拠地であるヴィクトリアホールの舞台で演奏させていただけるものですから、お話を頂いた時には震えました。

 

DUSAPIN氏との写真

<終演後 DUSAPIN氏と>

FEDELE氏ともDUSAPIN氏とも、演奏会前にしっかりと曲について話し合うことが出来たことも貴重な体験でした。

楽譜に込められた作曲者の明確なイメージを彼らの口から直に伺えるのですが、2曲とも数奇な縁で、日本の伝統音楽の要素がかなりはっきりと取り入れられておりました。

自分の奥底にもある日本的な節回しといいますか、間といいましょうか、そういったものを彼らのイメージと刷り合わせて、こんな音ではどうかとアプローチをする、反応が返ってきて更にそれが出来るならこちらも…と議論していきました。

音をゼロから創造していく現代音楽ならではで、本当に感動的でした。

 

しかしこの2つの大切な本番の間、夏に体中ボロボロに壊してしまった影響で腕が思うように動かず、楽器は1日2、3時間が限界で、楽譜を睨みながら試行錯誤の毎日が続いていました。
今はほぼ完全に回復しておりますが、この件で体の大切を痛感し、今はコンスタントに水泳に通ったり、指圧やマッサージなどの施術を受けつつ、常に体を無駄に使っていないか考えるようになりました。

あと集中して練習する・万全な状態で本番に立つために、休む時は全力で休む!これも年中バカンスだらけのジュネーブでは大いに学ぶことができました。

 

夏には講習会を受けにブルガリアへ行ってまいりました。

目の前が黒海という最高のロケーションの中、日本人は私以外誰もおらず、8割がブルガリア人です。

初めて接する、現地に生きる彼らから聞く文化や流行、特に歴史の話には本当に聞き入りました。こうした生の情報は、実際に国へ赴き、人と出会い交流しなければ得る事ができません。

 

ブルガリアの景色

<マスタークラス会場から見た景色>

私は今年6月でジュネーブ高等音楽院修士課程を卒業致しましたが、その際の卒業論文と口頭試問にて、ほぼ満点を頂くことが出来ました。

とは申しましても、これは先生と友人たちに大いに助けて頂いたからこそでして、まだまだ現地の方々には笑われることも多いのです…それでも母国語でない以上間違いがあって当然だと開き直って、今では臆することなくコミュニケーションがとれるようになったことは、私にとって大きな収穫です。
自分は学生寮に住んでおりますが、それぞれ全く違う母国、文化と風習を持つ彼らと交流することによって、自分の言葉の使い方が変わり、様々な事柄に対して前向きな意見を述べるようになったことにも最近気がつきました。そしてフランスものの作品に取り組んでいる際、今まで分からなかった音の展開やディナーミクに対し、言葉の響きとイントネーションから、もしかしたらこんな感覚かなといったようなアイディアが浮かぶようになったことも、新しい発見です。

 

ピッコロの師匠の家にて

<ピッコロのPavli氏自宅にてパーティ>

 

この10月からは、オーケストラ奏者への道を本格的に探すために、ピッコロ科のあるフランス・パリへ移住することになりました。パリの第一線で活動されていらっしゃる先生方の下、実践的なテクニックを身につけたいと考えております。

 

上記に述べましたとおり、腕が動かず本当に困っていた時に、この奨学金を頂く事ができ、そのお陰で講習会をはじめ、音楽に集中し、遠く、大きな目標であった今年のジュネーブ国際音楽コンクールに出場することができました。

心から御礼申し上げます。
これからも自分の目標のため、何が必要で何をすべきかしっかり見極めながら、より多くの国を回り沢山の人と出会いながら、見聞を広げていきたいと強く思っております。

 

 


様々な経験が糧になっているようですね。お身体に気をつけて、これからも研鑽を続けていってください。