奨学生レポート RMFレポート インタビュー

奨学生レポート(萩原麻未さん)

萩原 麻未さん/Ms. Mami Hagiwara
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2014.11.10 ]

学校名:モーツアルテウム音楽院

ロームミュージックファンデーション奨学生の萩原麻未です。
3年間の奨学生期間中、パリ音楽院室内楽科、モーツアルテウム音楽院Postgraduate過程を卒業しました。
ロームミュージックファンデーションの皆様のおかげで、音楽に没頭し研鑽できましたことに、心より感謝申し上げます。

 

8月6日。
広島に原爆が投下されて69年目の原爆の日です。
広島に生まれ育った私は幼い頃からたくさんの平和学習を受けてきました。

たくさんの方々の被爆体験を聞き、想像をはるかに超える悲惨な光景が目に浮かんだことは、小学生の私の心に深く刻まれました。

また被爆者である私の祖父母からも度々話を聞いており、爆心地からほど近くにいたにも関わらず奇跡的に生き残ることができて、私の命につながっていることの有難さをひしひしと感じています。

 

最近では原爆ドームの対岸や、8月6日の原爆の日に神崎小学校等で、爆風によって突き刺さったガラスの傷跡が残る被爆ピアノの演奏をしました。蘇ったピアノの音色から、平和の尊さに想いを馳せるひとときとなりました。

フランスに留学したときも、演奏会で訪れたどこの国に行ったときも、私が出身地を答えたとき広島の街を知らない人は一人もいませんでした。

広島で学んだ若い世代のひとりとして更に深く学び、音楽に携わっている自分にできることは何か常に考えながら行動していきたいと思っています。

 

音楽は人の心を幸せにする無限の可能性があると信じています。
音楽を愛し、人を愛する気持ちをたくさんの人々が共有することで平和な世の中になるよう願わずにはいられません。

また、音楽の喜びを肌で感じることのできた貴重な経験があります。
ベネズエラの音楽教育プログラムから生まれた、エルシステマのユースオーケストラのみなさんです。
彼らに接して一番に感じたことは、音楽を奏でているときの生き生きとした目の輝きです。心から音楽を楽しんでいる気持ちが音を通してダイレクトに伝わり、聴く人の心を幸せな世界に連れて行ってくれます。

彼らの演奏するマンボ!をインターネットなどで触れたことのある方も多いのではないでしょうか。

 

私が共演したのは、エル・システマ・ユース・オーケストラ・オブ・カラカスという14歳から22歳までの計175人で構成された大オーケストラ。ベネズエラのカラカス、広島、そして東京の3都市で演奏しました。

ベネズエラでのライヴ録音は東日本復興支援のためのチャリティCDとして発売されています。
リハーサル初日から、演奏を終えた後まるでスポーツ観戦で盛り上がるときのような掛け声で熱く迎えてくれたこと、そして同じ舞台で彼らの息づかいを間近で感じながら一緒に音楽をすることができ本当に幸せなひとときでした。

今年の秋には私の大好きなカルテット、ヴォーチェ弦楽四重奏のみんなと日本ツアーを行います。
彼らと初めて共演したときの、音楽を通して会話することの楽しさ、舞台上で5人がひとつになって音楽を創造する感覚は今でも忘れることができません。
ジュネーヴ・パリ・ミュンヘン・ベルリン等での共演を経て、いつか日本のみなさまにも聴いていただきたいとずっと待ち望んでいました。

音楽を通してたくさんの出会いや感動、今まで知らなかった世界を知ることのできる喜びは計り知れないものです。
ほんの少しでも誰かの役に立てるような演奏家になれるよう、これからも真摯に音楽と携わっていけたらと思っています。

 

 


すでに多方面で大活躍の萩原さんですが、ぜひこれからも素晴らしい音楽を奏でて多くの人の心を幸せにしてください!