奨学生レポート RMFレポート インタビュー

この一年を振り返って(塚本瑛子さん)

塚本 瑛子さん/Ms. Eiko Tsukamoto
(専攻楽器作曲/composition)

[ 2014.11.10 ]

学校名:ケルン音楽大学/ハンス・アイスラー音楽大学ベルリン

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の塚本瑛子です。もうすぐサマータイムも終わるというのに、幾分暖かく、過ごしやすい秋を迎えております。

ドナウエッシンゲン音楽祭にて

奨学生期間を振り返ってみると、例年以上に変化の多い、活動的な一年であったように思われます。

五年前に渡独して以来ケルンで勉強しておりましたが、新しい環境が必要だと感じ、学校を変わることを決意。

雪の降り積もるベルリンで入試を受け、無事合格が決まるとすぐに引っ越しの準備。四月の夏学期からベルリンで勉強を始めました。
新しい先生やクラスメイトとの出会いは、音楽を、そして自分の作曲を、これまでとは違った視点で捉えるきっかけになりました。

また、よく知らない土地で生活し始めたということも、自分にとっては非常に良い刺激でした。

勝手が分からなかったり、トラブルに直面したりすることもありますが、そのような状況を学習のチャンスであるとポジティヴに考えることが、特に外国で暮らしたり勉強したりするうえでは非常に重要なのではと思います。
夏には初めてダルムシュタット夏季現代音楽講習会に参加し、ヴィオラ二台のための作品を発表しました。

インゲボルク・バッハマンとパウル・ツェランの往復書簡にインスピレーションを受け、二人の奏者が背を向け合って座り、お互いが見えない状態で相手を聞きながら演奏するという作品で、演劇的要素をいかに音楽と結びつけるかが作曲における自分への課題でした。

思い通りに上手く行ったところも、行かなかったところもあり、今回の初演で学んだことは大きかったように思います。

 

ダルムシュタットでのリハーサル風景
十月初めには、ケルンのザンクト・ペーターで毎年開催されている、現代オルガン音楽のフェスティバルであるorgel-mixturenで、フルートとオルガンのための作品が初演されました。
十一月には、西ドイツ放送ケルンのコンサートシリーズであるMusik der Zeitにおいて、打楽器トリオが初演されます。
この一年は作品を発表する機会に恵まれました。

作曲に専念できたのは、ロームミュージックファンデーションのご支援のおかげです。ここに改めて御礼申し上げます。
現在はケルンの現代音楽のアンサンブルであるMusikfabrikのために、アンサンブル作品を作曲中です。

優秀な音楽家と共同作業するという機会を得て、もちろんプレッシャーも大きいですが、それを力に変えて、ベストを尽くしたいと思います。

また、来年は韓国・クァンジュで打楽器アンサンブル作品の初演の予定があります。

発表の機会を頂けること、また支えてくれる周囲の人々の存在に大変感謝しつつ、着実に自分の音楽を作っていきたいと思います。

 

 


2台ヴィオラの作品、面白そうですね。発表の機会に恵まれ、優秀な演奏者との共同作業も多くの糧になりそうですので、ぜひこれからもがんばってください!