奨学生レポート RMFレポート インタビュー

3年間のパリ生活と今後を見据えて(齊藤一也さん)

齊藤 一也さん/Mr. Kazuya Saito
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2014.07.29 ]

学校名:パリ国立高等音楽院

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の齊藤一也です。
早くもパリでの留学生活を始めて、3年が経過しようとしています。

さいとう

この長かったようで短かった3年間を振り返ってみると、国内外様々な音楽経験を通して、心身共に大きく成長できたのではと深く実感しています。

 

思えば3年前、憧れの芸術に溢れる街パリでの留学生活を始めた頃は、当初思い描いていたこの街のイメージを覆されるような生活環境の違いに衝撃を受けました。

それに伴い本命のレッスン内容、語学の問題、人間関係なども追いつかない部分が多々あり、先の見えない焦燥感に駆られ続けました。

なかなか思うように結果を出せない時期もあり、果たしてこの留学生活がどこか間違えた方向に進んでしまっているのではないかと不安になったり…

 

しかし、今までの自分とは違う部分を磨いていくという部分では、今まで無難な道を歩んできた僕にとって、苦難の道しるべを辿っていくということが何よりも大事なことでもありました。

それは、辛い壁に阻まれることもしばしばですが、その壁をなんとか乗り越えようと様々な挑戦をし続けました。

そして先月、その集大成ともいえるパリ国立高等音楽院ピアノ科第一過程のプリ試験(いわゆる卒業試験)があり、念願の審査員満場一致のトレビアンをいただき、この度なんと首席で卒業できることになり、伏せてDNSMPというフランス国家演奏家資格も得ることができました。

また室内楽やその他の音楽科目でも最高成績をいただくことができました

 

写真1 チェリストとのデュオの様子

<チェリストの友人とのデュオの様子>

 

フランスでの音楽観や美徳感を学ぶことが自分の成長とどのように繋がっているのか不安な面もあった中、この3年間の集大成がこのような結果であったことを心から嬉しく思うと同時に、これからの勉強の励みの大きな一歩となりました。

写真2 ラヴェルの家にて

<ラヴェルの晩年住んだ家でラヴェルが実際に使用したピアノを演奏>

 

コンクールや演奏の機会を頂く度に海外の素晴らしい都市にふらっと足を運べる機会も増えました。

とにかく地球上のどこに行っても自分のまだ出会っていない感動に満ち溢れているんだなと毎度驚きの連続です。
そしてこの街に戻ってくる度、誇り高い芸術、栄えある歴史、培ってきた人間性などプラスの再発見があり、全てが調和した再びこのパリが持つ特有の雰囲気が誇らしくなり、よりここで勉強できることの幸せを噛み締めることが出来ます。

 

写真3 Fête de la Musique 

<写真3 Fête de la Musiqueというパリならではの音楽祭の様子。一昼夜、人々が音楽に浸りながら大騒ぎです。>

 

晴れて来年からは、再びパリ国立高等音楽院での第二課程(マスター)への進学が決まり、益々勉強意欲に熱が入ります。

また、より深い音楽知識を得るために、こちらのエクリチュール科の入学も決意しました。

二つの専科を並行して学ぶことは生半可なことではありませんが、自分の新たな境地の開拓と共に、さらに多くの刺激を吸収して、より深く実りある音楽人生を築き上げていければと思っています。

 

最後にこの一年間、多大なご支援をいただきましたロームミュージックファンデーションの皆様に心から感謝申し上げます。

有難うございました。

 

 

 

 


順風満帆ではなく、壁にぶち当たるからこそ成長が出来、素晴らしい音楽が奏でられるのでしょうね。2014年8月29日のスカラシップコンサートVol.5で齊藤さんの演奏を聴けることを楽しみにしています!