奨学生レポート RMFレポート ミュージックサロン インタビュー

ウィーンより(杉本優さん)

杉本 優/Mr. Yu Sugimoto
(専攻楽器指揮/conductor)

[ 2014.05.1 ]

学校名:ウィーン国立音楽大学

こんにちは。ローム ミュージック ファンデーション奨学生の杉本優です。3月も終わろうとし、サマータイムが始まり、漸く長く、寒かった冬が終わろうとしおります。

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<アヴォ先生と>

 

個人的に、春という季節はとても好きで、昼間でも薄暗い空が、透き通った水色になり、花々が咲くと気持ちがとっても晴れます。これは日本の時からだったのですが、日本では同時に花粉にやられてしまい、そちらとの「戦い」に専念しなければなりませんでした(笑)

 

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<朝のシェーンブルン宮殿>

 

ヨーロッパが春になるにつれもう一つ変ってゆくのが、日照時間の長さです。

ウィーンの冬は、朝7時頃より太陽が昇りだし、午後4時には暗くなる、というような短さで、しかもそんなに明るく照らないとなると、やはり気持ちも下向きになってしまうのですが、4月頃になった途端、夕方になっても全く日没せず、夏には夜9時ごろにやっと暗くなっていく、という感じになります。

極端な違いですが、太陽が明るく照らされ始めると、それまでの長い冬がやっと終った!と本当に嬉しくなります。シューマンの交響曲第1番のタイトルが「春」で、その冒頭はトランペットとホルンによるファンファーレなのですが、僕が日本にいたときは、それほど春が来たことに「感動」はなかったのですが、こちらで生活してみると、ほんとうに感動と喜びを感じます。きっとシューマンも「春の到来」を心から楽しみにしていたのだろうなぁ、と考えてしまいます。

季節の話ばかりになってしまいましたが。少しほかのことも報告しなければですね。

僕は、現在指揮を勉強しているのですが、実は大学では「ピアノ室内楽科」というところに在籍しております。

これは、室内楽を通して、ほかの楽器との呼吸や特徴を吸収すべき、という、普段からご指導いただいている指揮の湯浅先生のアドバイスから、そのような形で勉強させていただいています。

とは言ってもピアノ室内楽のアヴォ先生の方針により、ソロもしっかり勉強しないといけない、ということで、2年生になり、漸く少しずつ室内楽を始められるようになってきました。

アヴォ先生の素晴らしい音楽にいつもいつもショックを受けては、練習、という毎日ですが、先生のクラスにいれる間に、たくさんのことを吸収したいと思っています。前回のクラスコンサートでは、フォーレのノクターンを3曲弾かせていただきました。

 

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<楽友協会の演奏会の様子>

 

音楽の都・ウィーンというだけあり、毎日毎日たくさんの素晴らしい演奏会が開かれてます。

日曜日の楽友協会では、同じホールの朝11時にウィーンフィル、15時と19時半からそれぞれ別のオーケストラのコンサート、という、1日に別の3公演(!)、というのが稀にあるくらいです。さすがに全てを聴くのは、資金不足により断念するのですが、それでも日本より格安で一流の演奏をこんなに身近に聴けるのはほんとうに嬉しいことです。
このような素晴らしい環境で勉強できることに、ロームさんにいつも感謝しております。この感謝の気持ちを、勉強にぶつけ、近い将来、音楽で感謝の気持ちを表せるように、引き続き修行を積みたいと思います。


指揮の勉強だけでなく、ピアノそして室内楽を経験することによって指揮にも活かせているようですね。音楽に溢れた素晴らしい環境で多くのことを吸収して頑張ってください!