奨学生レポート RMFレポート インタビュー

チャンスを得るために(吉田友昭さん)

吉田 友昭さん/Mr.Tomoaki Yoshida
(専攻楽器ピアノ/piano)

[ 2014.01.7 ]

学校名:ザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の吉田友昭です。

モーツァルテウム音楽大学には様々な国からの留学生が多く、学校の中ではドイツ語の他に伊、仏、西、露、英、中国、韓国、そして日本語と言語が飛び交っています。様々な文化と価値観を持つ各国の学生達に囲まれながら自分の研鑽に努めています。

モーツァルテウム音楽大学エントランスの様子

さて、2013年9月にスペイン・バレンシアで行われましたホセ・イトゥルビ国際コンクールで第1位を得ました。

このコンクールはバレンシア生まれの名ピアニスト「ホセ・イトゥルビ」を記念とするコンクールで2〜3年毎に行われています。

18回目の今回はバレンシア音楽堂コンサートホールにて全日程が行われ、1次予選30分、2次予選40分、セミファイナル55分のリサイタル、ファイナルにはオーケストラとベートーヴェン協奏曲1曲とロマン派協奏曲1曲が課題曲として課されました。

 

バレンシア音楽堂コンクール会場

今回私は2次予選を午前に弾いて21時に結果発表、セミファイナルは翌日17時からの演奏でした。

私の経験上、日本におけるコンクールにおいてはそれぞれの予選ラウンドが3日以上開いている事が普通なのですが、国際コンクールは時として3日連続のラウンドを迎える事があります。

いつどんな時でも自らの演奏実力を出し切れる体力と気力が何よりも重要な事だと思います。

 

 

音楽・芸術はスポーツと違って人と競うものではないのに、何故コンクールという審査員の評価によって当落を行う場に出場しないといけないのか。と多くの人が疑問に思う時があると思います。

私にも普遍的な答えは見出せていません。

現在世界にある国際ピアノコンクールの数は500を超えます。コンクールによって毎年や3年ごとに行われる等開催頻度は様々ですが、現実として毎日のように第1位を得たピアニストが出現します。

クラシック音楽の世界自体がコンクール競技会というエンターテイメントショーの雰囲気を持って観客の興味をひくもの、を伴わねば生存できない時代なのでしょう。

乱立されるコンクールの世界がクラシック音楽を変化させているのは事実なのですが、コンクールというものは賞金の他に演奏会・演奏機会というパスポートを得るに最も身近でいつでもどこにでもある「チャンス」と言えると思います。

出場する理由はまさにそこにあり、コンクールを避けて演奏会を得るのは難しい時代であるとも言えると思います。

落選したらどうしよう、等と考えずにとにかく挑戦し続ける事が重要なのだと思います。

 

受賞者演奏会

 

2014年はコンクールの副賞であるCD作成、スペイン、イタリア、オランダで20回を超える演奏会ツアーを行います。

バルセロナ・カタルーニャ音楽堂、アムステルダム・コンセルトヘボウ、ミュンヘン・ガスタイク文化センター等、欧州の素晴らしいホールにて演奏予定です。
思う存分に勉強させていただける環境、ご支援いただいております方々への感謝の気持ちを忘れずに今後も研鑽に務めたいと思います。

 

 


コンクールというのはその性格上、どんなにそれぞれが個性的な素晴らしい演奏をしても優劣がついてしまいますね。ですが、吉田さんのおっしゃる通り、世の中に認められチャンスを得る機会としては都合が良いのでしょうね。 ぜひ吉田さんの得たチャンスを活かしていただき、活躍の幅を広げてください。