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英国での留学生活―町と人とオルガンと(早坂牧子さん)

早坂 牧子さん/Ms.Makiko Hayasaka
(専攻楽器音楽学/musicology)

[ 2013.11.6 ]

学校名:ブリストル大学大学院

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の早坂牧子です。
ブリストル大学で博士研究を始めて、丸二年が経ちました。

ブリストル大聖堂のオルガン.JPG

 

私の研究テーマは『大衆文化としてのオルガン:1850-1950年の英国オルガン音楽における世俗化の展開』です。

タウンホール、劇場、水族館、映画館、ラジオ放送局など、教会以外の娯楽施設でどのようにオルガンが活用され、どのような音楽が演奏され、それを当時の人々がどう受け取り、またそうした動きがどのような新たなオルガン曲の創作に結びついたのか、調べています。

 

博士課程の学生は、隔週で指導教授と面談をする以外、自由に時間を使うことができます。

私の場合、様々な地域の公文書館を訪ねて史料を探すことが多いです。

 

ブリストル大学の図書館の様子.JPG

 

進級試験のための準備に追われて、週に3回ロンドンの大英図書館へ通ったこともありました!

移動には気力・体力がいりますが、異なる町の空気に触れるよい口実になっています。

 

一人きりの作業が続きがちな研究生活の中で、私を孤独から救ってくれているのは地元のオルガニスト協会です。

市内で開かれるオルガン試奏会や講習会に参加させてもらっては、オルガニストやオルガン好きのおじさんおばさんとお喋り。

このご縁で、6月には協会主催の演奏会に出演させていただきました。

研究のみならず、土地の楽器に触れ、オルガンを通じて地域の人々と交流する機会に恵まれたことに、心から感謝する日々です。

 

オルガン試奏会の様子.JPG

 

 


地元の方々との交流で演奏の機会にも恵まれ、研究の糧になるようなことがたくさんあったようですね。このパイプオルガンにしろ、建物にしろ、歴史が詰まった荘厳な場所ですね。