奨学生レポート RMFレポート インタビュー

二重生活(長尾春花さん)

長尾 春花さん/Ms. Haruka Nagao
(専攻楽器ヴァイオリン/violin)

[ 2013.11.1 ]

学校名:グラーツ国立音楽大学、東京藝術大学大学院

ローム ミュージック ファンデーション奨学生の長尾春花です。
2011年度から、ローム ミュージックファンデーション奨学生に選んで頂き、私の音楽の勉強をいつも支えて下さることに、心から感謝致しております。そのお陰で、私はこの1年間、グラーツ国立音楽大学のポストグラデュアレ課程に在籍し、ウィーンでボリス・クシュニール先生のレッスンを受け、日本で演奏会がある際には帰国するという、オーストリアと日本の二重生活を送らせて頂くことが出来ました。

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グラーツ国立音楽大学

ずっと、これまでの自分の中での枠から脱皮したいと思い、悩み続けていた私にとって、このような形であれ、留学という経験は、私の中の殻を破れそうなきっかけとなりました。
クシュニール先生のご指導は、基礎的な事なのに私が今まで知らなかった角度ばかり。

「君は自分の“特別”が何だと思ってる?」と初めてのレッスンで聞かれ、「日本では音が綺麗と言われます…」と答えると、「全然綺麗じゃないよ」といきなり特大打撃。

そこから基礎的な事から直し、一度は逆に音が汚くなってしまい、凹んだこともありました。

 

しかし、そのお陰で、今まで自分で無意識にココマデと決めていた音質の限界が少し破られ、少し閉ざされていたものに光が射しそうな気がしました。

クシュニール先生の演奏会を聴きに行った時には、先生が仰る“美音”の真実を目の当たりにし、目から鱗、これを習いに来たのだ!と思いました。
レッスンの他に、ウィーンではオペラやコンサートに気軽に行ける環境を楽しみました。

 

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フォルクスオーパーにて魔笛

観光客も多い街ではありましたが、芸術的な街を歩き、歴史ある建物で、伝統ある楽団の演奏やオペラを気軽に聴き、音楽がすぐそこにある環境に憧れました。
ウィーンで充電の日々を過ごし、日本では充実の演奏会の日々。こんなに濃い毎日は今までの人生で初めてです。

日本での演奏会では、特に今年は今までやったことのなかった曲を演奏させて頂ける機会が、コンチェルトでもリサイタルでも室内楽でも多く、充電の日々があってこその生活でした。

 

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クララ・シューマン、吉田隆子、ポール・ラドミロー、ジェルメーヌ・タイユフェールを取り上げたリサイタル

 

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バルトークのラプソディー1番と、バーバーの協奏曲を演奏させて頂いた定期演奏会(のRH)

仙台でハチャトゥリアンの協奏曲を初めて演奏会で演奏させて頂いたばかりです。
こうして人と人が繋がり、影響され、葛藤はありながらも、温かな支えのお陰で頑張れる、本当に素晴らしく、恵まれた環境にいられることに、どう感謝していいか分かりません。
これからも、すべての貴重な“今”を沢山沢山積み重ね、実りある音楽になれたらなと思います。
ありがとうございました。

 

 


海外に行くことで、自信を失いかけてもそこから努力して一皮むけることが出来たようですね。「今」を積み重ねて、より良い「未来」を目指してください。