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ハンブルクの思い出、そして…(小山田薫さん)

小山田 薫さん/Ms.Kaoru Oyamada
(専攻楽器指揮・教会音楽)

[ 2013.09.18 ]

学校名:ハンブルク音楽院

ロームミュージックファンデーション奨学生の小山田薫です。
ハンブルクで勉強を始めて3年が経とうとしています。

oyamada

 

現在は、9月に行う指揮科卒業演奏会のための準備に追われています。

しかし演奏会の準備といっても、譜面を読む時間よりオーケストラメンバーにメールや電話で出演交渉や日程の相談をしている時間の方が長いのが目下の悩みの種です。

友人同士とはいえ、ドイツ語での細かいやりとりはやはり時間がかかってしまいます。

 

でもその分8月から始まる稽古が楽しみなのも事実です。

曲目はストラヴィンスキー作曲「ダンバートン・オークス」とモーツァルト作曲ヴァイオリン協奏曲第4番。これまでの勉強の成果が発揮できるよう、精一杯取り組みたいと思います。

 

実は、この9月でハンブルクを去ることになったので、ハンブルクでの思い出をいくつかご紹介したいと思います。
北ドイツの港町ハンブルクは昔からの商人の街ですが、テレマン、C.P.E.バッハ、メンデルスゾーン、ブラームス、マーラー、リゲティなどゆかりの音楽家も多く、あちこちで住居跡等のレリーフが見られます。

写真は街の中心にあるテレマンの墓の跡を示すプレートですが、意外と皆さんこれに気付きません。(写真1)

 

写真1
私のハンブルク生活の中で一番大きな割合を占めたのが聖歌隊でした。

ドイツでバッハを歌いたい!とさまざまな教会に連絡して、やっと入れた聖カタリーネン教会聖歌隊は非常にアットホームで、今では家族のような存在です。

バッハのカンタータやクリスマス・オラトリオ、マタイ受難曲にヨハネ受難曲の他に、カルミナ・ブラーナや戦争レクイエムなどの大規模作品も積極的に取り上げます。教会は7年間に及ぶ大改修工事を終えて2012年12月に再開し、また今年6月には新しい大オルガンが設置されました。

写真はクリスマスイブのミサの様子です。(写真2)

 

写真2

 

意外に思われるかもしれませんが、ドイツではキリスト教離れが進んでおり、普段は若い人をあまり見かけません。

しかしこの日はやはり特別、1000人以上の会衆で溢れかえっていました。
新オルガンのお披露目にあたっては、オルガン職人の作業見学、ストップと呼ばれる音栓を演奏中に変える補助、調律の手伝い、さらには、3年がかりで行われるバッハのオルガン曲全曲演奏会での聖歌隊の指揮をするチャンスをいただくなど、普通では体験できないような体験をしました。(写真3)

 

写真3

 

かつてバッハが愛したオルガンは残念ながらハンブルク大空襲で破壊されてしまったのですが、そのオルガンを再現するというコンセプトの下に制作された新オルガンは、合唱の声にとてもよく合う、素晴らしい響きをしており、オルガン伴奏と歌っているというより、もうひとつ別の合唱団と歌っているかのようです。(写真4)

 

写真4
充実したハンブルク生活も9月で終わり、10月からはライプツィヒ音楽大学教会音楽科で勉強します。

新しい街でのスタートは不安もありますが、新たな出会いとさらなる音楽体験を求めて前進していきたいと思います。

 

写真1 テレマンの墓の跡を示すプレート
写真2 聖カタリーネン教会のクリスマス礼拝
写真3 聖歌隊を指揮
写真4 新しい大オルガン

 

 


演奏会を行うにしてもやはり準備が大変ですね。交渉や準備で経験する音楽以外のやり取りは今後、演奏活動をしていく上で大切な糧になると思うので頑張ってください。