宮城県被災地でのボランティアコンサートに出演しました
中川 恵美里さん/Ms. Emiri Nakagawa
(専攻楽器ソプラノ/soprano)
[ 2013.03.6 ]
学校名:東京芸術大学
ローム ミュージック ファンデーション奨学生の中川恵美里です。
一昨年3・11の東北大震災から、もうすぐ2年が経とうとしています。
私が初めて宮城県・七ヶ浜の仮設住宅地域にボランティアコンサートに訪れたのは、まだ寒さの残る昨年の3月。
以前より被災地でボランティアコンサートを主催していらした団体『あっちこっち』様の活動に参加させていただきました。
元はスポーツセンターだった、七ヶ浜ボランティアセンターでの第一回目のコンサート。寒さを噛みしめながら、集まってくださった仮設住宅の方々、そして同じく復興支援のボランティアの方々の前で、日本歌曲をはじめ、耳なじみのあるオペラアリアや歌曲、ミュージカルなどを歌わせていただきました。
その中で特に印象に残っているのが、『ふるさと』を歌っているとき、じっと目を閉じ、涙をぽろぽろこぼすお年寄りの方々の姿。
思わず胸が熱くなり、泣きそうになる気持ちを必死に堪えて歌い切りました。
それから二度、三度と訪問する度に、「また来てくれて嬉しい」と手を取ってくださる方の笑顔、感動で涙が溢れたと言ってくださった方の表情を思い出すたび、自分が歌うことの使命や幸福を実感します。
また、町全域が津波で押し流され、いまだ復興も手つかずの野蒜町を訪問し、まだこの土地と人の心には、震災の深い爪痕が残っているのだと、強い衝撃を受けました。
今後も音楽家として、一刻も早く東北の方々に平穏が訪れるよう、出来ることに精一杯取り組んでまいりたいと思います。