RMFレポート ミュージックサロン インタビュー

神尾真由子さんへインタビューしてきました。

インタビュー

[ 2013.03.13 ]

2013年3月10日、ローム ミュージック ファンデーションが助成、ローム株式会社が協賛するローム クラシック スペシャル≪コバケン・ワールドVol.3≫が東京芸術劇場にて開催されました。

ローム ミュージック ファンデーションの奨学生だった神尾真由子さんが今回の演奏会のソリストでしたので、終演後にお話を伺ってきました!

P3102991KOBAKEN201303ポスターB2

 

写真提供:日本フィルハーモニー交響楽団

 

 

神尾真由子さんのプロフィール神尾さんプロフィール写真c入り

神尾真由子さんは4歳よりヴァイオリンをはじめ、2007年にはチャイコフスキー国際コンクールで優勝し、世界中の注目を浴びたヴァイオリニスト。これまでにBBC響やミュンヘン・フィル等の海外のオーケストラと共演している実力者です。

(公式プロフィールはこちら→http://www.mayukokamio.com/

 

 

 

 

コバケン・ワールドとは…

ロームと小林研一郎氏、日本フィルがクラシック音楽の普及を目指し企画した当シリーズは、2004年8月より、≪コバケン・ガラ≫というタイトルで始まり、2012年4月より≪コバケン・ワールド≫とタイトルを新たにした人気のシリーズです。その名の通り、日本フィル桂冠指揮者 小林研一郎氏自らがお客様へ舞台上から語りかけ指揮をするというクラシック音楽の普及のために、わかりやすい内容とマエストロの熱い思いをのせてお送りしています。神尾真由子さんが今回演奏した曲はメンデルスゾーン作曲のヴァイオリン協奏曲。

終演後に色々とお話を伺ってきました。

 

~楽屋にて~

 

Q:今日のコンサートはいかがでしたか?P3102997

日フィル(日本フィルハーモニー交響楽団)さんとは10年以上前から一緒にお仕事させてもらっていて、とても懐かしく愛着があります。

小林研一郎先生は、普段はお優しいですが舞台の上では情熱的な方で、私も情熱的に演奏したい方なので、いつも“今日はどんな演奏になるんだろう”と楽しみに隣で弾かせていただいています。

 

 

 

Q:いつも演奏する時、客席の様子は気になるものですか?

あまり気にしないようにしています。海外では結構ザワザワしていることもありますが、気にせずに集中するようにしています。

日本のお客様はレベルが高いというか、東京、大阪、福岡などの大都市では静かすぎることもありますね。集中はできるけど、ジャッジされているという緊張感もあります。

 

Q:奨学生時代の生活はどうでしたか?コピー ~ P3102991

《神尾真由子さんへの奨学金給付は2001年9月~2003年8月の2年間、当時15歳の中学生でした。給付期間中はジュリアード音楽院プレカレッジ(アメリカ)と帰国後、桐朋女子高等学校音楽科に在学。》

奨学金は大変助かりました、ありがとうございます。

ジュリアードは毎週土曜日だけ、普段はアメリカの中学校に通っていました。語学は渡米前に3ヶ月程文法を勉強していきましたが、始めは授業で何を言っているか分からない。アメリカの中学校は授業毎に教室が変わるのですが、次どこに行けばいいのかすら分からないような状態でした。

一方ジュリアードは、学校が“英語は出来ないけど音楽は出来る外国人”に慣れていたのか、楽に入っていくことができました。私の他にも韓国や中国の方もいました。

 

Q:現在、音楽家を目指す若い方たちへのアドバイスを。

私自身、良かったと思うことは“我慢すること、忍耐力に小さい時から長けていたこと”だと思います。

 

変な言い方ですが、音楽をする人は小さい時から理由がなくても毎日練習するもので、嫌でもとにかく練習するっていうのが習慣づけられています。才能のある子だと尚更、遠い目標を先生や親からもらうことも多く、その目標はゴールも見えず手も届かない、全く手立てがないようにも感じますし、実際思い通りにいかないことも沢山あります。

だからこそ、あまり遠い先のことを考えずにとりあえず今日、今できることをすごく嫌でもとにかくやる。有名になりたいとかコンクールで1位を獲って注目されたいと思っても、すぐには実現しないですし、コンクールに行けば1位をとれるわけでもないし、明日すごい指揮者から発見されるわけでもない。

できることをして待つことです。

 

人それぞれタイミングがあって、今日皆より練習したから皆より上手くなるとも言えないけど、上手い人は練習しなくても上手く弾いちゃったりしますから、あまり人と比べることもせずに、あまり大き過ぎる目標を立てずに、嫌でも毎日練習する。

悩んでいる人はできることをして待つこと、我慢することだと思います。

 

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神尾さん、ありがとうございました!

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今最も注目されるヴァイオリニストの一人である神尾真由子さん。貴重なお話を伺うことができ、また舞台上の情熱的な演奏とは少し違った一面を見ることもできました。

今後の予定としては、仙台フィルハーモニー管弦楽団との国内外の公演が控えていて、その後2013年4月14日には十数年ぶりに京都での演奏会【京都市交響楽団 第567回 定期演奏会】に出演されます。

 

支援させていただいた方がこのように活躍されていることは、何より嬉しいことです。神尾真由子さんをはじめ、若い音楽家が活躍し、これからの日本の音楽文化を更に盛り上げてほしいですね。